今年も残すところあと1日。
母が元気だった頃、大みそかは朝早くから母は八頭を煮たり、田作りや黒豆を煮たりで大忙しでした。
私はと言うと、全て一緒に煮れる筑前煮と言う手抜き技で誤魔化しています。
さて、午前中に煮物等の材料を調達にスーパーへ行こうにも、寒い
しかも、お腹が空いているので、余計寒さが身に染みます。
・・・・と言う事で、クリスマスの食べ残しのTIRIさんのパネットーネをお腹に入れ、「そう言えば、アレがあった」とヴィンサントを飲んで暖を取る事に。
「いや、いや、アンタ、ロシア人じゃないんだから、アルコールで暖をとるな!」と突っ込まれそうですが、アルコール度数が気持ち高めのデザートワインは、ほのかに身体が温まるんですよぉ。
お酒には身体を冷やすお酒と温めるお酒があり、ワインは温めるお酒に入ります。
寒さしのぎのワインと言うと、こんな事がありました。
今から10数年前の事。
デザートワインの最高峰、ボルドーのシャトー・イケムがまだエノエカで¥19,800とか精々高くても¥30,000チョットで購入出来た時代の事です。
貴腐ワインは、抜栓しても長い期間楽しめます。
とは言え、食後のお楽しみ的に少し口にすれば十分なので、一家で1人か2人位しか飲む人がいないのであれば、ハーフサイズで十分。
ハーフサイズで確か、¥8,000幾らとか・・・それ程高くなかった筈です。
昔は、イケムもこんな値段で買えたんです。
しかし、抜栓して2週間かそこら放置しても大丈夫とは言え、開けたら飲むしかない。
開けるに開けれず、「いつ飲もうか」と言う状態が続いていました。
・・・・が、世界最高峰と言われるワインも、思いがけない事で飲む事になったのです。
ある冬の日、何の前触れもなく、お風呂が壊れたんです。
銭湯に行くと言う手もありますが、銭湯慣れしていない私は、どうも抵抗が・・・。
仕方がない、2日間、シャワーかお湯で身体を拭くと言う非常手段を取る事にしたのですが、これがまた寒い!
和風家屋には、冬の風呂なし生活は堪えました。
そこで、思いついたのがデザートワインで暖を取ると言う方法。
そうだ、そうだ、ワインは身体を温めるじゃない!
しかも、デザートワインはアルコール度数が14%から15,6%と少々高め。少量で暖まる!
あぁ、そう言えば、ロックフォール・チーズも仕込んであったっけ。
・・・と言う事で、馬鹿2人・・もとい、姉妹2人はデザートワインを開けて暖を取る事に。
「ここはロシアかっ!」(ロシアはウォッカだろ~)と言いながら、甘美な甘さに酔いしれました。
翌日も、「あぁ、今日も寒いね~」と瓶に手が伸びた事は言うまでもありません。
まっ、こんなトホホな思い出ですが、その時に意外と持ちが良い事を発見したんです。
ソーテルヌって甘美な割に、結構、図太いんですよ。
ハーフサイズとは言え、大分楽しめました。
あれから、十数年・・・・値段は鰻上りだし、今では外でグラスで飲む様なワインになってしまいましたけど。
デザートワインって、家飲みでは余り出番がありませんが、おせち料理の栗きんとんとも意外と合うんです。
煮物はみりんを使っているので、ほんのり甘味がありますよね。
ドイツワインのトロッケン・ベーレンアウスレーゼにおせち料理も良いです。