ポンパドゥール夫人。平民の出身でありながら、国王ルイ15世の寵姫となり、美貌と豊な教養でヴェルサイユに君臨したロココの女王。
その当世一代のエレンがンス、彼女のエスプリは時を越えた今でも語り継がれる程です。
彼女の幼い頃、徴税役人だった父は横領の罪をかぶり国外追放となり、母の愛人であるトゥーネルの元で、歴史、声楽、朗読等、一流の教師について最高の教育を受けて育ちます。
幼い頃からの彼女の夢は王妃になる事。勿論、国王には既にマリー・レクサンチカと言う正妻がいましたが、度重なる出産に嫌気をさした王妃は、ついに国王を拒絶したのです。
そこで寵姫の座を巡って、女性達の間では熾烈な争いが繰り広げられていたのです。
幾ら、サロンの花と噂されている彼女とは言え、ヴェルサイユに部屋も与えられていず、ましてや平民出身ですから、普通なら国王にお目通りが叶う可能性はゼロです。
しかも、寵姫候補は掃いて捨てるほどいるのですから。
「望めぬ世界はないと思います」
ある午後の一時、弟アベルは、一女を設けて幸せに暮しているのに、未だに国王との結婚を夢見ているらしき姉に「神か悪魔か、兎に角叡智を越えた力が及ばない限り、そんな幸運に恵まれる筈はない」と諭した時に、彼女が言った言葉です。
勿論、幸運が訪れる様、彼女は努力を惜しみませんでした。
しかし、彼女の周囲にいる人は皆、何を馬鹿な事をと思っていたのです。
これに近い事って経験したことはありませんか?
データ好きで現実的な男性は、女性が「こんな風だったらいいなぁ」と言うと、大体こう言います。「無理にきまってるよ」と。
でも、そうでしょうか?
一時の憧れは置いておいても、ずっと夢に描いてきた事は意外と叶う物なんですよ。
勿論、ちゃん努力をした上での話ですが。
それは、心のどこかで「それが現実になる」と言う事が分かっているから、諦めないんです。
今はただ、その方法と、いつ実現するのかがわからないから不安になるだけ。
夢は叶うと信じられる事も才能です。
努力をしているから信じられるのです。
「願いは叶う」こんな風にダイナミックに肯定出来る人が、遠くまで行ける様な気がします。