ボダ子を見張るように言付けた長女。
そんな物は自分ですれば良いのに、何故か面倒なことはすべて妹に命じてやらかし、手柄はすべて自分のモノにして横どるのが長女だった
。
この時の長女もいつも通りに自慢の娘を演じる。
そのために私たち妹を扱き下ろして利用する。
常に引き立て役として妹を使うのが長女で、中でも末っ子の私を一番ダメっぷりを伯父にひけらかす。
その時、ボダ子が長女を自慢する際の引き合いに、末っ子の私を扱き下ろすのが何時もの手段。
伯父はその話をうのみにして、私への辛辣な態度をとるようになった。
伯母だけは冷静に、ボダ子の躾方の問題と批判したが。
そんな中、実子のいない伯父が私たちを引き取ると言い出した。
私にとったら渡りに船で有難い申し出だった。
だけどこの提案に猛反対したのが伯母とボダ子本人である。
まともな教育すら受けられず、生きて行く事さえ困難な状況で、ボダ子を選択する愚かな娘はいないだろう…が、さすがは自己愛の長女は違った。
自分が残りたいがために画策を始める。
ボダ子は長女が選ばれるのは当然だが、万が一にも私達が選ばれた時は…辞退しろと命じた。
『はあああ!?…誰が辞退するか!!!』と思っていたが、次女は長女の逆恨みが怖くてひいてしまうし、三女は三女で「お前は父親に付けよ」と言い、末っ子の私は一人だけ帰れという。
ライバルは長女と三女であり、私は問題外にしてしまう。
つまり、最初からボダ子は長女しか眼中になくて、他はどーでも良いのだ。
残るならボダ子と長女で、あとは施設行きという話だった。
ただ、伯母の中では万が一引き取るなら…次女か私という選択だったという。
その理由は、まだ小学生の内なら躾け方次第で変わるから…というモノで、従順で大人しい次女と、甘えん坊だが育て直しやすい私という選択だった。
此処でも長女に加えて三女はハブられる。
おまけにボダ子曰く、「お前なんかが伯父さんの養女になって、実家の財産引き継ぐなんか許せん!!!」とのたまい、父親の元へ置いてくればよかったと、本人の目の前で言う酷さ。
つーか、お前が子ども四人を引き取って、実家の支援を受けて育てる選択肢はないのか!?
と、当時は思ったよ。
伯父さんは四人とも引き取る気だったようだけど。
だけど、ボダ子と長女の目論見がばれてend。
伯母に嫌われた。
この時、初めて次女が本音を零す。
そう、ボダ子自慢の長女の本性は、決して本人は優秀でも気の付くタイプでもなく、ただ都合の悪い事や面倒なことはすべて第三者にかぶせ、手柄を自分のモノにしているだけの鍍金タイプの優等生だった。
だから残れば三日ともたずに本性がばれる。
実際、この時の滞在は約二ヶ月ほどだったのだけど、最初のうちは上手く猫をかぶっていられたが、一ヶ月が経つ頃には伯母に正体がばれてしまう。
大人の前でだけ良い子の仮面をかぶる長女。
掃除もお使いもお手伝いも何もしない(出来ない)長女の真の姿を伯母に知られた。
ボダ子が如何に娘の躾を怠っているか、その辺りをコンコンと説教されるが、ボダ子はその現実を受け止められない。
伯母の前で失態を犯し、余計な事をべらべらと喋ったのは私だと思い込み、キツイ折檻が始まる。
これがいつものパターンで、習慣化していたため、叱られる理由もわからず、何時もの虐待行為を受け入れるしかなかったのだが、それさえも伯母に見つかり、ボダ子は親代わりの伯父に咎められた。
そう、一ヶ月あまり一緒に居れば、否応なしに実態がばれるモノだ。
だけど、自分にとって都合の悪い事はすべて人のせい。
それが一番の弱者である私に向けられる。
それを庇う者は同じ目に合う。
家で私を庇ってくれるのは父一人だけだった。
ボダ子と自己愛の長女が作り出す恐怖支配の構図の中で、次女と三女は逆らうことが許されず、スパイ行動をさせられる三女は、何時しか憎しみを妹に向けるようになった。
自分に振り向いてくれない父と母。
それは末っ子の存在が邪魔だから…と、そういう意識をボダ子と自己愛の長女に植え付けられる。
悪いのは妹であって自分じゃない。
妹が存在しなければ、両親は自分の味方。
コイツさえ居なかったら…。
それが三女の意識だった。
やがて、行方をくらましたボダ子と娘たちを追って、父が実家へ姿を現す。
それを玄関先の掃除を言いつけられた私が見つけた。
逃げ隠れする理由のない私にとって、迎えに来た父親を素直に受け入れるのが普通の反応だ。
奥の部屋にいた伯母たちに、父親の来訪を告げた。
ボダ子にこっぴどく叱られた私。
何も悪い事などしていないというのに…。
子どもが四人もいて、何時までも逃げ切れるはずがない。
伯父と伯母はその日の夜、ボダ子に子どもにあたるなと言い、話し合って今後の身の振り方を決めるよう諭した。
実家に残って子ども四人を育てると言えば、伯父夫婦は経済的支援もしてくれるだろう。
だけどボダ子の選択は自宅へ戻る…だった。
やり直せるはずも無し、子どもを育てられる筈も無し。
それでも帰るという選択をしたボダ子。
生きて行くあてもないというのに…。