脚立のたて方(三脚)

えっと、もう分かってるし…….。と、ベテランの方から叱られそうですが、今回は脚立のたて方です。

 

意外にもこのブログでアクセス解析ランキングに出てくる記事は「丸太差し込み 梯子掛け」が常にトップです。

 

なので、今回は脚立の掛け方について

 

世の中いまだに判らない事はあるけど…….。釣りそこなった魚を此のくらいとか、こんな奴だったとか、もうやめよう。しかも怪我につながることだし、21世紀だし現象や感じとか、感覚で伝えるのではなく計量とか数値で伝えられるのであれば解り易いと思うのです。

 

 

脚立、自身も見様見真似から入ったものです。3年ほどの経験から安全性を体得しました。だからといって昔と異なり若衆には安全管理上、理論から教えるべきだと思います。

脚立のたて方はこの歳になるまで今まで同業者からの納得のいく説明はありませんでした。結果的にこんな感じとか、いつの間にか配置説明に転化している。

 

そして、脚立の掛け方でモーラできる箇所をみればその人の腕がわかります。

 

なので脚立を制すもの手入れを制します。

 

危険回避と効率性の要点

1、危険、斜面高い方から低い方へは掛けない。

2、足の掛ける方向、慣れるまでは振り子方向(垂直点)に従う。

3、危険、15度の角度、開いた角度は30度。地上を0度としたとき75度の角度を保つ。

4、危険、直角三角形に配置しない。

5、安全と効率性、対象箇所、頂点は正面に、右利きであれば左方向奥から掛ける。

 

以前、ブログでゲシュタルト心理学・群化「経験の要因」と白砂石組みに於ける心理効果 5で脚立のたて方を紹介しましたが、いま一つ理解されにくい様なので改めて説明する機会を設けました。

 

最近、YouTubeで脚立のたて方を紹介していますが、効率性についての説明が多く、つまり作業効率上たてる位置や場所の説明はされても、どの様に立てるのか安全性を含め考慮した設置説明が不足しているので文章説明で出来うる限りの解説をします。

 

MOSS  脚立の安全な使い方【三脚と四脚】

https://www.youtube.com/watch?v=3UD7ClLB-PI

ピカ安全啓発チャンネル 三脚脚立の啓発

https://www.youtube.com/watch?v=xr-aTuiZo2Q

作業スピードを圧倒的に上げる【脚立】の立て方

https://www.youtube.com/watch?v=EjQzkG7LmKc

 

模型脚立の形状は、梯子側巾90㎜、高さ180㎜の割り箸で作られた脚立。

 

 

なので、まず何をどうすると危険かを示します。

足部分が滑ると画像の様になります。

足部分がコンクリートやアスファルト舗装だったり表土が凍って滑った時は冷や汗が出ます。同時に刈込鋏やら刃物を持っているので注意が必要です。竹丸太の脚立を使っていたので意識はしていませんでしたが、アルミ製の足可動タイプにもクサリが付いているので滑動防止に注意しましょう。

https://www.youtube.com/watch?v=Zp-eqYRmrAg&list=PLMGgWKK4n1jevcyrHKI03jT4PJXwNqcW_

画像参照

 

 

1、斜面の場合、高い方から低い方へは掛けない。

前後起伏の場合、掛ける樹種や枝つくりによって異なりますが、直接足を掛けずに脚立をハシゴの様にかけるケースもあります。

斜面の場合、掛け下り(下り足)の場合、そもそも開脚角度下り足が15度を超え危険。

 

掛け登りは逆にアルミ製脚立に足の長さを調節して15度程度を保てる様にする事で危険を回避することができる。このケースの場合は、昨今のアルミ製の脚立の中にも足の高低調整が出来る脚立も出ています。

 

 

2、慣れるまでは振り子方向(垂直点)に従がおう

左右の起伏の場合

次に起伏や高低差のある場所では赤いラインの方向で安全な角度であっても画像の様な場合、左側足部分から右方向へ倒れることになり、たいへん危険な状況となる。

 

この場合、青いラインの位置に足がくる様にします。この足の方向は重りや下げ振りが垂直に示している方向に足を置くと安定がはかれます。

脚の高低調整の出来ない場合、必ずしも駒が水平にならず上りにくい事もありますが振り子に従って方向を定めてください。

 

画像の鎖方向は下げ振りと同じ様に垂直に真下を示している。右の画像は上からの画像、十字部分が足の方向になります。

 

3、15度の角度、開いた角度は30度。地上を0度としたとき75度の角度を保つ

 

次は角度、次の画像は水平面に立てた脚立の画像、横から見た時の鎖と開いた足の方向は15度の角度、開いた角度は30度。地上を0度としたとき75度の角度になります。

 

 

重力は常に下に向いているので、重力の掛る方向に足が無いと倒れます。次に斜面の場合は斜面上側に支える足、下に梯子側になる様設置します。そして、梯子部分は地上水平部分の場合15度になるよう務め、それ以上それ以下が過ぎると前後のバランスが崩れ倒れます。

 

 

 

 

4、直角三角形の配置しない

 

三点支持、安定性の証明

結論からいうと、それぞれのABC足の位置が水平面で正三角形であれば安定の三角形。

 

直角三角形のABC配置では倒れる。

 

 

 

5、対象箇所、頂点は正面に、右利きであれば右方向奥から掛ける。

 

効率性

作業効率利点1、対象物に近づける

つまり、四脚と比較すると前足一本、枝中に立てる事で作業する部分に近づける利点、

作業効率利点2、現場の起伏にも対応できる。

掛ける足場が起伏やデコボコでも三点支持を安全に設置できる。

 

脚立、道具の目的

この道具がいつ、何処で発生したのか記録もなく故上原敬二氏の造園大辞典にも構造説明と対象部分への対処器具の説明がなされている。固定されたハシゴの領域外、移動可能で樹冠整姿等を目的に造られたハシゴ。地盤地形に対応可能な三点で支持され、三角すい状のハシゴを脚立いう。

 

さて、この脚立を数学的に解説説明する。二点を定めると一本の直線が引ける。そこにその直線上にない一点を定めると、一つの平面(三角形)が指定できる。つまり、ある平面を示したかったら三点あればよいという平面三角形の証明。

 

数学的に考えると、3点が一番安定する。根拠は、「3点を通る平面は、1つしか存在しない」したがって、少しでもずれていると安定した平面を作れないので、必ずしも地面が平面なところで使うわけではない脚は3本にすると安定する。現実、私達の現場では総てが平面とは限らないので実際はもっと複雑な地形に三点に設置しなければならない。

 

つまり、数学的な証明だけでは脚立は立たない。何故三点なのか判ったところで何故安定するのかの理由を説こう。ほぼ平面に自立している姿は、数学的な説明で3点の安定が図れる。しかし、一点地盤の起伏で設置位置がその場所である場合、数学のいう三角形の証明だけでは自立しない。