たつみや刃物
2月、奈良に行く前に一枚の画像が届いた。
たつみやという鋏、
どうやら奈良の鋏らしい…….。
さっそく、応援先で出会ったY際さんに鋏を見せてもらう。
って…….。
えっ〜「鋏」って…….
Y際さん曰く、「庭」はよく見るやろ!
なので「鋏」…….。
あははは.......。
何と丸棒ですか?の問いに、そうです。
京都の他に丸棒って…….。聞いたことがない。
改めてもう一度尋ねると、ずっと前からこんな感じです。と
丸棒である理由のひとつに芯金部分の緩みによる刃当りが線から点に近い接点になる。
つまりよく切れるという現象。
しかし、それはまもなく否定されることになる。
2021年2月26日、水落親方の元へ
頼んだ竹差しが出来上がったという事で鍛冶場に…….。
そこで目にしたのはたつみやの鋏。
佐助の鋏と交換してくれと懇願しても換えてくれない「たつみや」の鋏。
たつみやとはいったいどんな鋏なのか…….。
3月、戻ってすぐに連絡を入れたが既に一丁も無し。
在庫の鎌も鋏もあっという間になくなったという。
時すでに遅し、たつみやの窯の火は既に落されていた。
地元ではたつみやの鋏を使っていない職人はハブにされる。
「もう~そんな、たつみや以外の鋏でやらんといて!」って
白子のリのコマーシャルみたいな地元愛たっぷりのたつみや
詳しい事は取材していないので又聞きのレベルですが独自に育まれた地元の鋏、この辺の人はこれ以外の鋏は知らない。
はぁ~?
なに言うとんじゃい佐助の鋏と交換?
だから何!という感じ。
偶然メルカリで、たつみやを検索すると…….。
さっそく、出てきたので即決で購入。
タイムリーな買い物でした。
見ると穂長で全体が硬い仕上げになっています。
刃渡り3寸5分、かなり長物
サトちゃん曰く、河内も大阪好みの長さだそうです。(笑)
そして、重心は?
穂長なので重心バランスが軸に近い処にあります。
調べると山一つ越えると大阪に近い場所、恐らく手入れも河内刈りに近い手入で穂長の好みも似ているのかもしれない。
と、いうことで
芯金は堺と同じく角丸、長い間使っていると芯金が減ってボケた状態であることが確認された。芯金がボケる理由は芯金材が通常の鉄のために使い減りが激しく、如何に鋏自体が硬い材質で作られているか想像ができる。
これと同じことでハイスの刃は切止みはしないが、どうしても芯金が減るのと同じ現象になることがわかりました。
次回はヤフオクに出ていた三吉という両手について