現象を伝えるだけではなく根拠も伝えよう。
ここ最近見かけた知人が出ているサイトに、広く奥行きを感じさせるテクニックをご披露している。
視覚効果、手前巾60㎝末端は30㎝のアプローチ
今回はこのデザインの要素と構成源を解析します。
技法的にはかなり昔から行われている技法で、歌舞伎の舞台の云う「遠見」と云われるホリゾントを設える。
くの字ライン
雁行、ホリゾントラインの一例
遠近法の原理は矩形ラインの応用で一点透しを描き、ホリゾントをつくるような構図にすると奥行や広角を感じる様な設えが施されるという理論です。
ただし、美術理論なので拡大解釈部分があり、描画と解説的には良いのですが見る扱う人が実際の現場ではどうかというところ。
つまり、舞台という演じる側の背景、観る側の座席位置が固定されている場合は充分美術効果が発揮されるが、庭は様々な位置、様々な状況で歩き触れ、感じる事が庭の要素であると自覚すれば固定された視座ではなく、様々な位置、様々な体現を経て感じ得られるのが庭の良さといえます。
以前、数学者岡潔が説いた「川の流れを計算(表す)する」は編分方程式によって川の流れを計算できるが、それでもなを小川は流れている。これは川の断面を計算する事ができるが流れている計測の術を知らない。
ここで重要なのは客席や舞台は動くことは無く、同じく観る対象となる庭は動くことは無いが、人は移動するその時の其々の視座を考慮すべきだといえる。
例えば、植栽のいう前列樹高から後列にかけて低くすることやアプローチをハの字にする処では解説例としてはよいが次の様な作例でないと現実味が薄い。
次の図は黄金比率矩形と矩形弧ラインを表したもの、これを対称画にすることでホリゾントが出来ている事がわかり、これに視点高をすると奥行が設定できる。さらに、矩形弧ラインは長方矩形と同じ要素を持っている。
そしてこれが最終的に出した結論、そのように感じないという人もいる。それがプレグナンツ(law of prägnanz(独語)経験の効果)
ネットで紹介されてもいま一つ理解に苦しむサイトが多いのでわかりやすい動画で何度でも繰り返しお伝えします。
プレグナンツ効果、条件反射の好例
Ghost Dog? RIP(rest in peace) Kosmo
ゴーストドッグ? 安らからに眠れコスモ
1、最初は説明無で動画を見る。
2、次の説明を読んだ後動画を見る。
3、経験を踏まえているので対象を理解する事が容易になる。
動画の説明
先ず、ペットセメタリ―(動物の墓地)が出てきます。
先日亡くした犬(KOSMO)の墓石にある。
遠くの方にも何かが見えています。
愛犬KOSMOの墓石にぬいぐるみの様な物が見えます。
少しづつ近づいていくと
おや?犬の様な形に.......。
もしやKOSMOの化身?
しかし、近づいてみると前回来たときに捧げたお花でした。
そして戻って見ると犬の様な形に.......。
というプレグナンツ効果の好例
これは、献花した枝葉が飼っていた犬の化身に見えたという現象で、犬の形状を認識しているからこそ其の物に見える心理体験をいいます。KOSMOの化身に見えないという人も犬らしき形状に見えるのは犬を過去に認識しているからです。
つまり、生れてから犬を見たことが無い人は犬の形状を認識できていないはずです。
げんに私自身子供の頃、理科の授業で条件反射パブロフの犬の解説の時、例えの一つとして「梅干」と云うと唾が出る現象といわれたとき、私自身食べたことが無く唾が出る事はなかった。
その後体験により、唾が出ない自身には戻れない。