マルクスについて(メモ)  2024/3/8 1:00 | 日記「ウクライナ人の戦い」 Masanori Yamato

日記「ウクライナ人の戦い」 Masanori Yamato

「ウクライナ戦争」を描くことで、プーチンとは何者なのかを書きたい。

マルクスについて(メモ)  2024/3/8 1:00

 

昨日トランプにカリスマ性があるかというタイトルで一文をここに上げたんだが、読み返しながらなんか不満だった。何か欠落しているような気がしていた。

 

そして思いついたのがマルクスだった。歴史上最大のカリスマ性を発揮したのはおそらくマルクスであることを思い出し、マルクスを揚げていなかったことが不満だったことに気が付いた。

 

わたしは碌にマルクスを知らないからマルクスの哲学を論じることはできないんだが、しかし考えたらマルクスほど世界に影響力を発揮した哲学者もいないんじゃないかと思う。

 

なぜなら、レーニンはロシア帝国をソヴィエット社会主義国に変え、一時は東欧諸国と東ドイツまで社会主義国にした。毛沢東は中国に中華人民共和国を誕生させた。金日成は北朝鮮人民共和国を樹立した。哲学史の中で、その思想を実現させたマルクスは最大の哲学者と言っていい。

 

ところで、ソ連邦社会主義帝国は1989年になるとその周辺国からボロボロと崩壊していった。民主主義国を目指し、ソ連から次々独立していった。今現在、かろうじて中国共産党と朝鮮労働党が健在なだけだ。しかし今は両国とも、その経済運営が危ぶまれている。

 

特に中国について思うのだが、鄧小平が1982年に人民公社を廃止して資本主義経済体制を導入してから中国経済は目覚ましい躍進を遂げた。

 

それから40年であるが、3/5開幕した「全人代」において、習近平も李強も中国経済の現状に危機感を持っていることを述べていた。その表現は違うけれども、中国経済、中国社会全体の発展への自信を示さなければならないと述べている。しかし、この中国経済の危機を克服すべき具体策は「全人代」には提出されなかった模様である。なにしろ例年年末までには開催されていた、「第三回の中央委員会全体会議(三中全会)」も年が明けた今も開催されていない。

 

経済政策を立案し、採択するのが役割の「全人代」であり、それを実施するのが2000人に及ぶ全国の各界・各層の「政治協商会議」のメンバーであろう。しかし聞くところでは、その分科会では相変わらず、習近平国家主席を党の核とし、その思想を中国発展の道しるべとしようといった相変わらずの礼賛のことばのオンパレードだったという。

 

マルクス哲学はなぜ失敗したのか。失敗しつつあるのか?

 

今中国は経済だけでなく、政治外交にかんしても危惧を持たれている。「中国は信頼できない」という評価がもっぱらである。問題は社会主義思想にもとづく一党独裁体制そのものにあるのだろうか。政策と実施の誤りにあるというのか。それとも、指導者の資質にあるというのだろうか。

 

一党独裁体制というけど、日本共産党がいうように指導体制は「民主集中制」というものがあるらしい。日本共産党の言う「民主集中制」というのはイマイチわからない部分もあるが、去年だったか、劉少奇の息子の劉源が暗に「一人独裁」を批判して、「民主集中制」に戻さなければならないという趣旨の論文を発表して話題となった。これは政治局常務委員7人の合議の上で「中国の政治と経済を運営しろ」という意図があると伝えられている。劉源などの紅2代や、太子党の中にも一人独裁に危惧を抱く人たちもいるらしい。

 

マルクス哲学はどこが間違っていたのか。東欧諸国のソ連からの独立やソ連自身の崩壊が示すように、そもそも社会主義体制そのものが民主主義に対抗できない代物だったのか。それとも、その運営の仕方が間違っていたのか。少なくとも、経済システムとしての共産主義は資本主義に敗北していることは明白のようである。

 

今マルクス哲学は大学ではどう講義されているのだろうか。哲学を勉強していないわたしはこの疑問が前々からある。