岸田は決断していいと思う | 日記「ウクライナ人の戦い」 Masanori Yamato

日記「ウクライナ人の戦い」 Masanori Yamato

「ウクライナ戦争」を描くことで、プーチンとは何者なのかを書きたい。

 

岸田は決断していいと思う  2024/2/17 1:30

 

 きのうの金与正の談話が注目を集めている。2/15に「朝鮮中央通信」を通じて伝えられた「岸田首相がピョンヤンに来る日があるかもしれない」という金与正の談話である。これについていろんな人が見解を述べている。代表格の「救う会」の西岡力氏なんか慎重派の一人である。

 

 ところで、今回の金与正の談話であるが、能登半島地震の際に金正恩が岸田総理にお見舞いの電報を寄こしたことに端を発する。金正恩は「閣下」と尊称を付していた。これは異例のことである。

 

 その後、岸田は2/9の衆院予算委員会で「(金正恩と会うかどうかは)わたしが自ら判断する。具体的なあらゆる方策で探っている」と答弁した。

 

 金与正が「岸田の本心を見守っている」と述べた本意は、日本側がどこまで拉致被害者の帰国に代償を払う用意があるかという点にあることは明白である。小泉純一郎、安部官房副長官のときの帰還に際して取りざたされた「100億ドル」の積み残しの話、これを暗に指していることは明らかである。

 

 100億ドルが妥当かどうかは別にして、相当額の拠出は覚悟の上で、日本は交渉に臨んでいると見ていい。当然に、日本側は北朝鮮が拉致被害者をどこまで帰す用意があるか探っているものと思う。

 

 金額より、日本側が示したリスト全員の帰国を北朝鮮が承諾するかどうかである。日本の有識者の間では「足元を見られてはいけない。騙されてはいけない」という慎重論を述べる人がいるが、なによりも時間がない。急がなければならないのである。拉致被害者の帰国を成し遂げることは国家としての使命を果たすことである。政治に力があることを示すことである。

 

 聞くところによると、北朝鮮では5月、6月には毎年餓死者が出るという。自殺者も増えるという。食料が尽きるそうである。「岸田の本心を知りたい」というなら、前段として食糧支援という策を弄するのもいい。その間に、拉致被害者のリスト作りと帰国のための準備を急がせればいい。

 

 今回の件、わたしは北朝鮮の方にこそ、拉致被害者の帰国と引き換えに日本の経済支援を受けたい差し迫った事情があっての動きのように想像しているのである。