鄧小平が決めたルール  | 日記「ウクライナ人の戦い」 Masanori Yamato

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「ウクライナ戦争」を描くことで、プーチンとは何者なのかを書きたい。

 

鄧小平が決めたルール  2023/12/18 1:00

 

 

鄧小平の後は江沢民、その次は胡錦涛、その次は習近平である。この間約30年である。習近平だけが3期勤めようとしている。

 

鄧小平時代、おもしろいルールができたという。国家主席は退陣するとき、次の次の国家主席を指名して退陣しようと。鄧小平は胡錦涛を指名した。江沢民は習近平を指名し、胡錦涛は故春華を指名したのである。

 

その故春華であるが、第18、19期の国務院副総理である。その当時の総理は先月急死した李克強である。ところが、第20期の党大会(2022/10)で習近平が慣習を破って3期目も国家主席に就任した。この第20回共産党党大会で1番注目されたのが、党大会の最終日に、胡錦涛前国家主席が事務官に両腕を取られて立たされ、大会会場から退場させられた映像である。記憶にある人も多いと思う。この2022年10月の党大会でもうひとつ注目されたのが、李克強の下で10年間副総理を務めていた胡春華が政治局中央委員から外されていたということである。

 

 

 

鄧小平、江沢民、胡錦涛、習近平とつながる国家主席の出身母体は習近平が太子党(いわゆる中国共産党革命の戦士の血を引く政治家)である。3人は共産主義者青年同盟(団派)出身である。

 

李克強も胡春華も団派である。学問や文芸の趣味等において団派の人間たちの方が優れている。留学経験も豊富であるから語学力も高い。あの悪名高い江沢民であったがロシア語と英語が堪能であった。

 

今中国の富裕層がどんどん国外に脱出している。2023年で13000人程度だから、全体の数としてはたいしたことはない。これら富裕層は共産党員であり、多くは太子党の子弟であり、高級官僚たちとその子弟であり、企業家たちである。彼らは鄧小平の改革開放路線に乗っかって、この40年間で私財を蓄積していった人々である。今、紅2代、紅3代と呼ばれている。

 

習近平は権力を集中させるために団派を徹底的に切り崩してきた。ところが、経済が徐々におかしくなると、習近平は富裕層の不正資産に目を付けた。富裕層の私財の没収を実施している。私財の1/3を国庫に入れれば2/3は見逃すという風に。私財の多くは不動産であり株式である。これに紅2代、紅3代たちに不満を抱いている。

 

ところがここにきておもしろいニュースが聞こえてきた。最近マダガスカル大統領の就任式に胡春華が習近平の代理として派遣されたというのである。政治局中央委員25名にも名を連ねていない胡春華が派遣されたというのであるからこれは驚きである。

 

習近平が経済の建て直しのために胡春華の再登用を考えているのかというもっぱらの噂である。このニュースは「世界のニュースはMOTOYAMA」さんのYutube動画を参考にして書いた。