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“森の学校楠学園” staff のつぶやき

鹿児島県は蒲生町にある小さな認可外の私立学校(フリースクール)の日常を
スタッフの目からお届けします

9月最初の運営会議♪ 今日は議題がた~くさんあります
 ○某小学校の運動会にゲスト参加するかどうか
 ○タップダンスはステージ発表をめざすか,それとも楽しくやっていくか
 ○秋祭りの出し物をどうするか
 ○さくらさくら(高齢者多機能ホーム)への敬老の日デリバリーについて
 ○自主キャンプについて


あらかじめ予告しておいたひとつひとつの議題について意見を求めると
わいわいわい 素直な意見がとびだします
中にはあんまり素直すぎて「めんどくさい!オレはやらん!」と叫ぶ子も・・・


 実はこの子は影響力がとても強いので,
 『自分がやりたくないならそれでいいから,そっと下がっていて』と話していたのです
 「ちょっと待って。まず話をさせて」と声を掛けると,そのことを想いだしたのか
 すっと静かになりました おっ?いままでとちょっと違う♪


 学園ではね,個々人の『やりたくない』という意思は尊重したい
 でも集団の中で,影響力の強い人が最初に『しない!』と断言してしまうと
 小さい子はそちらへ流れちゃうんだね
 少なくともいまの楠学園ではそういうところがある
 だから,この子のこの配慮はとても嬉しかった ナイス,Aくん!



さて,そんなこんなで順調に会議は進み,3つ目の議題『秋祭り』に
発表は恥ずかしい,展示もなぁ・・・,やっぱりつくりものにするっ!


じゃあ何をつくる?
蒲生のイメージに合うもので・・・
秋祭り(収穫祭)だから自然に感謝できるような・・・
去年は大きなトトロをつくったからジブリシリーズ?


 「あれがいい!あのほら,こう丸いので黒くて・・・」
 「まっくろくろすけ!」「そうそれ!」
 「木霊(こだま)を大クスにたくさん並べたい!」
 「中からぼうっと光らせたら面白いんじゃない?」
 「アリエッティってどのくらいの大きさ?」
 「角砂糖を抱えてこれくらいだよ」
 「そんなに小さいのぉ?じゃあ見えないね」
 「だいいち難しいじゃん」


ふむふむ いろんな意見が出てくるね


 「ジブリじゃないとしたら恐竜とか?」
 「あっ!それ!××××トプスをつくる!」(名前を忘れました)
 「人がきたらさ,ギャオーってなくの」
 「ランダムにパォーンとかキヤッキヤッとかなくのは?」
 「いや,やっぱり鳴き声は××××トプスのでしょ」


なんだかとっても盛り上がっています


 「じゃあ恐竜か木霊のどっちかにする?」
 「えーっ?!両方つくる!」
 「両方?!」
 「うん♪」


ということで,今年はセンサーを仕込んだ恐竜2体とぼうっと光る木霊をたくさん
ということになりました
リーダーも決まってやる気満々だけど・・・ぁぁ・・・たいへんそう


でも とても楽しみでもあります
秋祭りに向けて忙しくなりそう♪

森の学校楠学園の時間割はシンプルなもの
  8~10時が机の学習の時間
 10~12時がプログラムの時間
 12~15時が自主活動の時間


これまでは,新一年生の読み書きから始めたという経緯もあって
それぞれにドリルなども併用しながら進めてきました
つまり,ある程度大人が何をするか考えてあげちゃってたのですね


でもそこに違和感を感じていたのも事実
それを自覚して,思い切って変えてみました



『朝の学習の時間のやり方をね,変えてみようと想うの
 いま自分のいちばん知りたいことって何? それをやっていこう
 テーマは何でもいい ただし他の人のじゃまにならないようにね』


えっ?僕の知りたいこと? ・・・たくさんの瞳が輝きます

えぇ?知りたいことっていわれても ・・・いくつかの眉が寄ります


そうして始まった新しい学習の時間は,不思議な充足感に満ちていました


 ひたすら絵を描く子
 歴史漫画を積んでニコニコと読んでいる子
 恐竜の図鑑を開き,寝そべって眺めている子
 最近飼い始めたハムスターを横に,パソコンで生態を調べてまとめている子
 空気砲を,箱や穴の大きさを変えて次々と作っている子


うん,楽しい

いままでは自主活動を『探究の時間』といっていたけれど
それぞれにこうして取り組めるのなら,これが本当の『探究の時間』だね


これからこの時間がどう展開されていくのか楽しみです

夏休みって楠学園にはどれくらい必要なのかなぁと想う
もしかしたら,自由登校にして学園を開放してもいいんじゃないかなとか
うん 来年度は考えてみましょう


さて 長い休みも明けて新学期♪
特に大きな感動もなく,あたりまえのように子どもたちはそこにいる
そんなことが幸せ


そうそう 一人メンバーがふえたのだけど面白いんだよ
5月の塩づくり体験に1回参加しただけなのに
1学期末,担任の先生に『2学期からは楠学園に通います』と告げたらしい
お母さんびっくり!私もびっくり!
いつもの授業は見学もしていないのに・・・何か感じるものがあったのかな


ともあれ 現在17名
フレキシブルに子どもが輝ける学び場であり続けます

今日の哲学のテーマは“大きい”でした


「大きいってなんだろうね」


「大きいは大きいだよ」
「でっかい」
「ばかでかい」
「長い」
「高い」
「巨大」


「いろんなのが大きいなんだね。じゃあ大きいものってどんなものがある?」


「机」
「家」
「山」
「熊」
「地球」
「宇宙」
「ひびくん」


 (おお。なんだか単語ばっかりだけどよく発言してるなぁ)


「ひびくん,よく大きいねって言われるよねぇ。ひびくんは大きいの?」


「大きい」
「一年生と比べたら大きい」
「ひびくん二年生じゃん」
「あ,そうか。じゃあ去年は大きかった」
「同い年の子の中では大きい」


「かおちゃん(2歳の子)は?」


「小さい」


「はぁちゃん(かおちゃんの弟)にとっては?」


「大きい」


「じゃあ,かおちゃんは大きいの?小さいの?」


「えとね,オレにとっては小さいけどはぁちゃんにとっては大きい」


・・・なんてやりとりを繰り返しているうち,「~は?」と聞くとすぐに
「誰(なに)にとって?」と確認されるようになりました。

“大きい”は 絶対的なものではなく相対的なものだとつかんだんだね


そこでちょっと他の形容詞に話を広げてみました
「“小さい”は?」 「“きれい”は?」 「“すごい”は?」


宇宙のこと・自然のこと・ミクロの世界のこと・感覚のこと・・・


そうこうする中で誰かが「おそろしいも大きい」だと言い
一旦はそのまま聞き流されたのだけど
あとでゆっちゃんが「あこがれるも大きいだ」と言い出しました


「ふむ。じゃあ存在感があるっていうのも大きいっていうことなのかな」


「多分そう」


「そうかぁ」


予想外の展開。でも納得です


子どもたちとのやりとりはいつもこんな感じ
予想外の考えや行動をどこまでありのままに捉えられるか
大人の側に柔軟性が求められます
そんな日々はとても新鮮で充実していて
今日も 子どもってすごいなぁと嬉しくなるのでした



とても素敵な男の子とご縁ができました


彼は15歳
中学校を卒業して,いまは通信制の高校に通っています


勉強をしながらアルバイトでお金を貯め
留学してテニスの指導をできるようになり
テニスを好きな人が楽しくテニスをする場をつくるのだそう


子どもがスポーツをする時
少年団でもクラブでも 技術の向上や結果を目標にされる
本人が望んでいなくても あたりまえのようにそこを目指すことになり

体の動かし方や試合運びの『型』を身につけることを求められ
始めは楽しかったスポーツが 根性で結果を出すものに変わってしまう
それでつぶれてしまう子も 少なくないのだとか
だから 好きなテニスを楽しくできるところをつくりたい・・・って


うん


頼もしいね


いまの日本で 15歳で そこまで自分の生きる道を見ている人って
どのくらいいるんだろう


彼はこれまで つらい想いもしてきたんだろう
でも その中でも 自分の感覚を見失わなかった
むしろ ちゃんと想いを見つめて 自分の道を見つけ出した


すごい と想う


ほんわりとやわらかく それでいて輝いている生
こどもたちは一瞬でなついた


ここに来たいな と嬉しいことをいってくれたから
生徒ではなくボランティアで来ない?と話してみた
彼の行く道を考えたら その方が合っている気がする
子どもたちにとっては なにも変わらないだろうけど


どんどん素敵な人が集まってくる
そんな楠学園であることが嬉しくて
世界に みんなに 心から感謝します


今日の自炊当番は チームYOAJ
塩作り・代休と続いて準備をしていなかったので 朝,献立を考えます


期待を込めて「基本の和食」の本を手渡すけれど
あまり乗り気じゃない


決まった献立は ご飯とたまご焼きとキャベツのすまし汁

・・・そうかぁ汗


前回のエビチリとのギャップに ちょっと残念な想い
でもちゃんと 『一汁一菜 野菜あり』になっている
なにより 自分だっていつもいつもちゃんとした料理をつくる訳じゃないし
簡単な料理をつくることだって りっぱな生きる力だよね

うん! ok音譜



そして つくっている途中でたまご焼きはいり卵に変わり
有精卵や鯖節という素材のよさ そのまんまの
意外においしい昼食となりました


いろいろな意味で 頼もしい子どもたちです



雨で延期になっていた塩づくり

今度はどうかな と心配していたお天気はピーカン晴れ

1ヶ月の間に参加者もふえて 総勢22名での体験学習となりました


行き先は 枕崎の『黒潮農場』

そう スタードームの時にきてくれた素晴さんのところです



市内組と川辺の道の駅で合流し いざ枕崎へ

蒲生からは実質1時間半

道がよくなっているからかな 思ったより近いです


初めてお邪魔した黒潮農場は とっても質素で実質的なつくり

ん~ いいなぁ


そこでは 釜焚きの様子を見せていただきました

三日ほどかけて10分の1にまで煮詰め,仕上げ用の釜に移すのだとか

夏でも火を焚き通しガーン 大変な作業です


つぎに 海辺の火之神公園へ移動車

10倍濃縮の塩水を釜で煮詰めながら 昼食の準備をします


廃材を足やナタで割り 組んで火を付ける作業は子どもたちの担当

食材を切って用意するのは大人の担当

(お母さん=料理という図式は個人的に好きではないのだけど

 今回はホストではないので,ね)


ところで


塩づくりというからには 例えば砂浜にワラを敷いて塩水をザッパーンとかけるとか

なにかそういう『活動』を考えていたのだけれど

特に九州ではそういうのはしていないのだそうです

考えてみれば 大変な重労働だしね


ということで ひたすら釜で煮詰める


ということは 時間がある

さあ 海へgo走る人



ここは太平洋 透明度が高くて 青い青い海です
磯だまりをのぞくと ウニがいっぱい

カニもヤドカリも たくさんいます


とびこむと ほどよくあたたかい水

ゴーグルを付けてのぞくと きれいな青い魚の群れ


ああ なんて気持ちがいいんだろう


大はしゃぎの小中学生を見て 小さな子たちも海へつかり

大人はのんびりとくつろぐ

(約2名は 海につかっていたけどね)


そんなこんなで数時間

煮詰まる直前で塩を取り出し 水分を抜いて完成!



最後に 素晴さんが塩について語ってくれました


 僕はいままで 自分に合う生き方を探していろいろなことをしてきた

 会社に勤めたりNPOで働いたり 農業や林業や漁業をしたり・・・

 丸木船で佐渡へ渡ったりヨットで太平洋を横断したこともある


 その中で塩づくりに出会った

 塩をつくるというのは素晴らしい仕事だと思った


 塩のとりすぎは健康によくないといわれるけど

 塩がないと人は生きていけないんだよ


 人の血は1%の塩分を含んでいる

 これは 人が大昔 海に住んでいた名残なんだ

 その頃の海の塩分濃度は 1%だった

 人の体の中は 大昔の海なんだ



うん


素晴さん,素敵なお話をありがとう

今日の塩づくり体験が そのお話でとっても深いものになりました


そうしてできあがった塩は 複雑でとってもおいしい味

これが 鹿児島の海の味なんだね


次は 冬にストーブの上で煮詰めながら

じっくりゆっくり 自家製の塩をつくってみたいなぁ



“森の学校楠学園” staff のつぶやき-塩づくり01  “森の学校楠学園” staff のつぶやき-塩づくり02



農具がなくて しばらくそのままになっていた畑


博人さんの伝手で ご近所さんよりお古の立派な鍬をいただくことができました

ホームセンターで柄を買ってきて 博人さんにつけていただき

スローペースながら 準備完了晴れ



日差しが落ち着いてきた午後2時 みんなで畑に繰り出しました

なれない鍬を振りかざし 少しずつ土を掘っていきます

肥料が根っこにあたるとやけてしまうので

20~30cm地中に混ぜ込むといいのだそうです


ようやく一畝おわったところで 強力な助っ人登場!

源土さんです

さすが 家で畑をされているだけあって早い早い

サクサクと進んでいきます


その後ろから子どもたちが肥料を撒き 土を戻し 畝の原型ができあがりました

後は苗を買ってきて 畝を盛り上げて植えるだけ

なんとか 5月頭に定植までできそうでほっとしました


“森の学校楠学園” staff のつぶやき-畑の畝づくり

前回がお休みで 久し振りの源土さんの授業


今日は大きな布にクレパスで絵を描くというものでした

“みんなで描く”というやり方を重ねた子どもたち

なんとなく場所を決めて なんとなく自分と人の領域を意識して

楽しそうに描いていきます


愛くんの描くサメやリクガメは さすがの上手さ

簡単な線の中に特徴がしっかりでています


おうくんの描く繊細な線の恐竜は 布の中に存在感を紡ぎ出し

源土さんに促されて 2頭3頭と命を吹き込まれます


コウタンは カブトムシの絵がずいぶんと上手になりました

”ひとりで描くようになってるニコニコ” と源土さん

前は 恥ずかしがっていたものね


と,ひととおり描いたところで くるりと布が返されました


ん? なにするのかな?


「裏を ぜんぶ塗りつぶそう~口紅


おおっと いつもと違う展開です


手に手に クレパスを持つ子どもたち

心なしか 目がキラリと光っているような・・・


そして


「赤 行きま~す!」

「へへ~ん オレンジはここ~」

「黒がきた~!!」

なんて大騒ぎしながら 色塗り合戦が展開されました


たしか 心理療法か何かにこんなのがあったような

一度コミュニケーションの講座でしたことがあります

それは確か 状態を見るためにするものだったけど

単純に塗る作業自体が面白いラブラブ


源土さんと一緒にいると 本当に絵が楽しいものになってくるのです


“森の学校楠学園” staff のつぶやき-源土さんと



さて。盛り上がった前回の哲学から二週間。
今日はどんな展開になるでしょうか。


「今日のテーマだけど,前の続きがいい? それとも違うテーマにする?」


「う~ん。どっちでもいい」
「いや,やっぱり違うテーマにする」


「じゃあ違うテーマにしようか
 なにか,これってなんだろうとか思っていることとかある?」
 (と,いつもはじめに訊ねます)


「特にない」


「じゃあ,『タマゴが先かニワトリが先か』でいい?」


「いいよ」


というわけで はじまりはじまり~



「タマゴとニワトリ,どっちが先だと思う?」


「ニワトリだよ。ニワトリがいないとタマゴは生まれないもん」
「でもそのニワトリはタマゴから生まれたんだよ」
「あ,そうか。じゃあタマゴが先!」


「この前みたいに分かれてみようか。とりあえずどちらかに決めて」


わらわらわら・・・と迷いながら動いてみると
なんと大人対子どもになりました


えっ,そうなっちゃうの?

大好きなお兄さんにくっついていく子
どうしようかなぁと迷ってみんなのいる方を選ぶ子
本当はしっかり自分の意見で選んでほしいところだけど・・・
いまのところはそれもok 選択のひとつの形だものね


そしてお約束の
『タマゴがないとニワトリは生まれないよ』
『でもニワトリがいないとタマゴは生まれないよ』
という議論の堂々巡りになる


かと思いきや!

議論は意外なところへと発展していきました


「元々は始祖鳥がいて,それが進化してきてニワトリになったんでしょう
 だからニワトリっていうのが生まれたのはタマゴからじゃないの?」


むぅ。そうだよねぇ。
この発言のきっかけを作ったのは私だったのだけれど,
自分でもそんな結論が出るなんて思ってもみませんでした
議論って面白い

鳥ではなく 『ニワトリ』と限定したからこその結論だね



そんなこんなで “もやもや”もなくすんなりと終わった今回の哲学
結論のでないテーマだと思い込んでいただけに
あっさりと納得できる結論が出たことに 物足りない私


でもね ちゃあんと面白い展開が待っていました


途中で「ニワトリの祖先ってなに?」という話が出た時に
『赤色野鶏(セキショクヤケイ)』という種類があることを知り
アルちゃんが興味を持って調べ始めたんです


広辞苑・百科事典・動物図鑑にインターネット,さらにオークションまで

そして いまもその種がいること,高値で取引されていること,
原種に近い地鶏がいろいろいることなどが分かりました


赤色野鶏ってね,とても立ち姿がきれいでしたよ
実物を見てみたいなぁ