こんばんは(^-^)
今日も素晴らしい映画を紹介して行こうと思います
【ブラックスワン】
ストーリーは、
ニューヨークシティバレエ団に所属するニナは技術的には完璧な優等生バレリーナ
長らく花形でプリマの座に居たベスの降板に伴い行われた新プリマのオーディションで、ニナは見事にプリマの座を射止める
しかし新プリマを迎えての新シーズンの「白鳥の湖」は、監督トーマスの「革新的な公演にする」意向で“白鳥(ホワイトスワン)”だけでなく“黒鳥(ブラックスワン)”も演じなければいけなかった
優等生バレリーナのニナの前に、官能的で狡猾な“ブラックスワン”を演じる為の大きな壁が立ちはだかる・・・
“レオンの少女”が素晴らしい演技を魅せてくれてます
素晴らしい女優になったものですなぁ
どうも上演時に“ボディ・ダブル”を一部で批判されてたみたいですが、個人的には批判する意味がわかりません
いくら過去に経験があるとはいえ、ナタリーが1年の特訓でプリマ級のバレエが踊れるほどバレエの世界は甘くないでしょうに
批判してる人の9割はジャッキー・チェンのファンでしょうw
粗探しもイイとこです
この作品でのナタリー・ポートマンは賞賛に値する演技だと思います
感動しました
素晴らしいです
尺が1時間50分程しか無いのもありますが、吸いこまれるように一気に魅入ってしまいました
ある程度ハードルを上げて観たつもりですが、見事に上回られました
演出と役者の持つ演技力、音楽と音
ほぼ非の打ち処が無い作品かと思います
白と黒、善と悪、自由と束縛、禁欲と享楽、光と影、イイ子と悪い子、喝采と罵声、主役と脇役、受諾と拒絶、再生と崩壊
対極にある世界を行き来するニナ
自分の夢を娘に押しつける教育熱心なシングルマザーである母エリカ、自分の理想であった完璧な花形プリマのベス、自分と対照的なリリー、自分の欠けてる部分に土足でドカドカと入り込んでくるトーマス
「敵を騙すにはまず味方から」と言う諺がありますが、演者が“役になりきる為”にはまず“自分から騙す”事が必要なのかと思います
自分を騙し切れるかどうか
役に入り込む、取り込まれる、呑まれる、喰われる・・・
色んな表現の仕方があるかも知れませんが、我ら一般人には到底想像も出来ないような世界が待ち受けてるのだと思います
「役に入り込み過ぎて抜け出せない」って類の話を皆さんもお聞きになった事があると思います
ニナはそのもっと先の、ピリオドの向こう側に行ってしまった、イヤ、行けたのでしょう
そして、やがてニナは「完璧」に辿り付く
敬愛する故ヒース・レジャー卿が見た世界
彼が見たのもこの作品で描かれている世界だったのかも、と、ふと思った次第です
“ブラックスワン”から“ホワイトスワン”へ戻る時
自らの湧き出る血を見て泣きじゃくりながら鏡に向かい、ファンデーションを塗り直しながら徐々に変わってく表情
そこには幕があがった時の不安で嫉妬に駆られ今にも泣きだしそうな“白鳥”とは、全く別物の“白鳥”が居るわけですよ
あのシーンで、あの化粧を直しながら“ニナの完璧が完成”したのだと思いました
鳥だけに・・・鳥肌が立ちましたね・・・
そして最後の台詞
「感じたわ、完璧よ」
これこそニナが目指したゴールだったと思います
ニナの“自分への騙しが完璧に成功した”のだと思います
ニナの奥底で抑圧されてたドロドロとした欲望と願望
それを彼女は解き放ちモノにした
トーマスはニナがそれが出来る逸材だと見抜いたが、ニナはトーマスの想像のそれすらも上回った
駆け寄るトーマスの表情がそれを物語っていた
愛情を注がれ過ぎ依存し過ぎてた母からの逃避、大切にしていたヌイグルミ達との決別、ドラッグ、性の悦び、嫉妬、自慰行為、自傷行為・・・
尺の大半をニナの精神崩壊と再生に費やしています
白から黒へ、そしてその先へ・・・
番人受けしない映画かも知れませんが、
単にバレエだけで無く、1人の少女が変貌していく姿を是非ご覧になって下さい
以前紹介した「ジャック・メスリーヌ」のヴァンサン・カッセルの存在感も抜群であります
唯一、残念だったのは特典映像が全く収録されて無かった事です・・・
特典映像があるならブルーレイで買ってもいいレベルの作品だと思います
これは映画館で観たかったなぁ・・・
ドゥル・シティ・バレエ団に入団したいって方は
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