「全一学ノート」に学ぶ

 

5月10日(月) 

 

本日の要点

 

  人間における性愛は、深く宇宙の根源生命に根ざすものだということです。

  したがって陰陽の理は単に男女、雌雄の次元に留まるのではなくて、広大な

  る宇宙的生命によるものだとしています。

 

 

「かくして我われは、一方からは人間存在における性愛の理が、ふかく宇宙の根

源生命に根ざすことを知ると共に、またその故に、そこに見られる陰・陽の理は、

単なる雌・雄というような性愛の領域を超えて、この広大無辺なる大宇宙をつら

ぬき、到るところにその顕現が見られると言うべきであろう。」

 

「全一的世界」からの「自著自解」

 

  この断章まで来て、編者はもう一度根本原理へと立ち還っている。これ“い

  のち“の自覚内容の展開を意図する「全一学」――真の生きた哲学――の表

  現法の一特色といえるであろう。

 

  即ちそれは循環的手法ともいうべく、科学における順次的並列的な表現方法

  とは根本的に違うわけである。では何ゆえ生きた真の哲学では、循環的表現

  法になるかというに、“いのち”の自覚内容の表現は、

 

  仮にこれを図式に現せば円の他なく、随って循環的表現法とは、円環を横に

  連ねた螺旋的表現というべきだからである。そこで翻ってこの断章に対する

  時、わずかな文字のうちに、如上の理がほぼ間然するところなく表現せられ

  ているともいえよう。