「幻の講話」の「一巻選集」(平成20年)監修

 

1月15日(月)小正月。半襟の日。

 

ちなみに森信三先生の「幻の講話」、「一巻選集」(平成20年、実践人の家)の監修は石川洋先生です。「幻の講話」全5巻は森信三先生の「生き方を学ぶ」入門書として読書会テキストの定番になっています。

 

「一巻選集」は全5巻の中から石川先生が内容を選び抜き一巻にまとめた選集です。同先生は「歴史的経書としての『幻の講話』」のタイトルで冒頭に書き綴っています。

 

「人間教育の混迷を極める今日、人間を根っこから育てられない教育の一大欠陥は、教える側を掘り下げる視点より、表皮の対症療法に追われている空しさにあるのではなかろうかと苦慮するばかりです。・・・

 

一燈園の子弟を育てる学園の校長をされる先生に、西田天香師は在職された一県の諸学校の『一日小使い』の托鉢を命じられた。すでに校長職にあった方であるが、学校の便所を掃除されながら、生徒を『生徒さん』と拝めるようになり、一年後に一燈園の校長として迎えられた。

 

森信三先生の教育実践学の根底にあるのも、人類を普遍的に育成する哲理と実践が、先生自身の端的にして、明解な『行学不二』の證として示されている。」

 

森先生がいかに実践を重視していたかということです。「『行って余力あらば以って文を学ぶ』(論語)つまり学問が人生の第一義ではなく、生きることが第一義である」ということです。

 

さらに「森信三訓言集」*(平成25年、致知出版社)の序文で石川洋先生は述べています。(*「森信三訓言集」は「修身教授録」の姉妹編で昭和10年代初の授業内容を生徒が筆録したものです。)