「21世紀のきものマーケット創造」への提言⑨

 

6月21日(水)夏至。

 

「地域になくてはならない店」へ

野田祐三(あい企画研究所)

 

きもののリサイクルショップに注目します。きものを着る機会に恵まれたきもの好き、きものの価値を十分に知り尽くしたきもの通たちがリサイクルショップできものとの出逢いを楽しんでいます。

 

値段は通常価格の十分の一から五分の一で、「価値ある格安なきもの」として一度に何枚も買い、着回したり個性的な着こなしを楽しんでいます。さらにきものを知らない新人類層が古典の色柄に出逢い、新鮮さを感じてきものの虜になる姿も見られます。

 

現在生活者の簞笥に眠る再着可能なきものは約八兆円と推定されています。リサイクル、メンテナンス、洋服へのリフォームなどのニーズが増大し続けていることを考えると、今後の市場規模は1000億円とも想定できます。21世紀への大きなニュービジネスチャンスです。

 

21世紀のきもの専門店は生活者から存在価値を認められる創造性、独創性、機動性を発揮する店だけが「地域になくてはならない店」として発展していく可能性を秘めています。専門店は「店がブランド」との経営意識から特に下記の点が重要です。

 

・顧客が感動する高付加価値をもつ

・自店の個性や特性に適合する商品だけを扱う

・個性的なトータルコーディネイト

・メンテナンス、サービスの向上

・体型に合わせた裁縫仕立て