二宮尊徳の「二宮翁夜話」に学ぶ(647)

3月10日(火)

(261)無我の一心決定①

「翁はまた言われた。————茶人利休の歌に、『寒熱の地獄に通う茶柄杓(ちゃびしゃく)も 心なければ苦しみもなし』とあるが、この歌はまだ十分ではない。
なぜかというと、歌の心は無心ということを尊んだものだが、人は無心になるだけでは国家の用をなさない。

心というのは我心のことだ。その我をただ去っただけではまだ不足で、我を去ってその上に一心を決定し、ぴりっとも心を動かさないところまでこなければ、尊ぶに足らない。」

掃除が気づく人をつくる!

今まで深い気づきを示唆されたお二人です。一人は「掃除に学ぶ会」の鍵山秀三郎氏(イエローハット創業者)、もう一人は石川洋先生(一燈園同人)です。

お二人に共通するのは、だれもが嫌がる「トイレ掃除」を徹底し、独自の生き方、哲学を拓いてこられたことです。お二人から一般的には気づきにくい、深い気づきを示唆されることが多かったのです。

「世の中で成果を上げる人とそうでない人の差は何か。それはムダがあるか、ないかの差だと思います。では、ムダをなくするためにどうしたらいいか。

それは気づく人になることです。その気づきを引き出すのに、もっとも効果的だったのが、私の場合、トイレ掃除でした」と鍵山氏は語っています。