二宮尊徳の「二宮翁夜話」に学ぶ(497)

7月30日(水)

(208)「荒地は荒地、欲は欲で」①

「翁がいわれた。————太閤の陣法に、敵をもって敵を防ぎ、敵をもって敵を討つという図りごとがあったというが、なるほど良い策に違いない。水防にも、水をもって水を防ぐ法がある。心得ておかねばならない。

————町田亙(わたる)*がいった、近来富士川に雁がね堤というのを築いたそうですが、これがその法でしょう。」
*伊豆韮山の代官江川太郎左衛門の手代。のち時右衛門と改名、仕法事務を手伝った。

「『重職心得箇条』を読む」の続き。

第9条 「信賞必罰」は自分でやれ。
第10条 問題の「優先順位」にもっと神経をくばれ。
第11条 人にも事にもいつも「大きな風呂敷」で。
(どんな人でも受け入れる広い心、どんな事でも抱え込める大きな器量)
第12条 人の「異見」に耳を傾けろ。
(要は何が最善かだけー 朝礼暮改、朝礼朝改も恥ではない。)
第13条 物事にはアクセントをつけろ。
(物事はすべて強弱をつけることにより全体の「バランス」がとれる。)
第14条 「作為」は徹底的に排除しろ。
(最良の仕事は「手数を省く」こと。複雑にするから見えなくなる。「簡素」を旨とせよ。)
第15条 本音で話せ、本音で動け。
第16条 情報の守秘と開示をはっきりさせろ。
第17条 部下の気持ちを「明るく」しろ。