二宮尊徳の「二宮翁夜話」に学ぶ(418)

4月7日(月)

(183)「変事に備える道」③

「古語(論語)に、禹(う)のことをほめて、『飲食を薄くして孝を鬼神(粗神)にいたし、衣服を悪しくして美をふつべん(祭具)にいたし、宮室を卑(ひく)くして力を溝洫(こうきょく、用排水)に尽くす。』*といっているが、よくよくこの道理を玩味すれば、けちか倹約か、いわずと明らかだろう。」
*「飲食をきりつめて神々にお供え物をしてまごころをつくし、衣服を質素にして祭りの前だれとかんむりを立派にし、住まいは粗末にして灌漑の水路のために力をつくした。」
私たちはWhyを購入している!

私たちは企業の製品(What)を購入するのではなく、その企業がその製品を生み出す理由(Why)–––––目的、大義、理念を買うのだと、サイモン・シネックは述べています。

したがって、優れたリーダーは「何のためにそれをするのか」(Why)から始め、次に「どうやって実行するか」(How)を語り、「何をするか」(What)は最後に取っておく、これが「ゴールデンサークル」の手順です。

Whyが曖昧で、Whatを軸に自社を定義する企業は、変化に適応できないから成功の可能性は低くなります。たとえば「わが社は鉄道会社」とWhatと規定した米国の鉄道会社は航空機の登場で苦しくなったのです。

「わが社は大量輸送ビジネス」とすれば、航空会社への転換ができたかも知れません。「運送業者から宅急便」へと転換したクロネコやまとの成功を想起します。