二宮尊徳の「二宮翁夜話」に学ぶ(243)

7月12日(金)

(125)貯蓄は譲道の一つ

「翁のことばに、多く稼せいで銭を少く使い、多く薪をとって焚くことは少くする、これを富国の大本、富国の達道という。ところが、世間の人はこれを吝嗇(りんしょく)といい、強欲ともいうが、それは心得違いだ。

なぜなら、人道は自然に反して、勤めることによって立つ道なのだから、当然貯蓄を尊ぶのだ。その貯蓄ということは、今年の物を来年に譲る、一つの譲道なのだし、親の身代を子に譲るのも、貯蓄の法に基づくものだ、

こうしてみてくると、人道は貯蓄で成り立つとさえいえる。だからして、富国の大本、富国の達道というのだ。」

40年後の日常生活です。

「世界人口の80%は都市の高層住宅で暮らすようになると、政治的にも大きな影響を与える。交通、空気の質、騒音、下水、水、電力といった都市居住者の問題が主な政治課題になる。

都市化は、出生数の減少、つまり1人当たり子どもの数の減少という、これから40年間で最も重要な変化を推し進めるだろう。都市化の流れは気候変動に起因する二つの動機にも後押しされる。

第一の動機は、都市に暮らすと長距離通勤をしなくて済むようになり、1人当たり温室ガス排出量が低くなる。もう一つは、気候変動による天災から住民を守るには、田園地帯に分散する家々より、都市の集合住宅のほうが安くすむからだ。都市では堤防ひとつで海面上昇から数百万人を守ることができる。」