石川洋先生の「ありがとう宣言」(27)

ゴールデンウイーク、お楽しみになれましたか? 筆者の休みは「ぼんやり」、これが思考停止(エポケー)です。体力づくりは主に早朝散歩と水泳の持続。

さて、石川洋先生が西田天香さんに面会するハイライトです。

「旧制中学校を出た私は、出生の栃木を出て、京都・一燈園を訪ね、天香さんの前に座っていた。」 

「天香さんは黙って私の話を聞いてくださった。吸い取り紙のような一体感を覚えた。」

「そして『あなたの苦しんできたことは大切なことです』と寂かに答えて下さった。私はそれだけで、この師に生涯ついていこうと決めた。」

「信頼とは聞くこと、聞いたことに答えることだ、と、知った。天香さんは、たった一言いわれた。   

『人間は偉い人にならなくていい。立派にならなくてもいい。人間は人のお役に立つ人になることである』と。」

「偉くなることも、立派になることも望むべきことではないが、『人のお役に立つ』ことなら、私にも出来ることがあるのではなかろうかと、頭を畳にすりつけて弟子になることを誓い、許して頂いた。」

「道場に帰った私は、板の間に座り、赤児のように泣いた。悲しみではない。単なる喜びでもない。溢れ出る『いのちの涙』であった。」

「いたらない人間ではあるが、歴史を生きる『ありがとうの証し人』でありたいと誓った。」(つづく)