再生への「革新プログラム」(25)

きものを着たいとき、「高価格」がネックになるのは間違いありません。リサイクルショップの魅力は、価格が新商品のほぼ十分の一という低価格にあります。

「きものに関心がある」「きものを着たい」、しかし「高くて買えない」という若い女性たちに、購入できるチャンスを提供している功績は高く評価されます。

彼女たちはリサイクルショップできものに出逢い、店主(店長)の適切な指導によりきものフアンへの道を歩み始めるようです。

同時にリサイクルショップは、きものを知り尽くした中・高年層に至るまで幅広い客層に利用されています。店が支持されるかどうかは店主と商品次第、まさしく「人は店なり、店は人なり」です。

株式の店頭公開から3年目に一部上場を果たして注目されたのが京都きもの友禅です。その成長要因のひとつは「低価格商品」戦略に求められます。

同社はきものフアン層を拡大するために「きものは高い」という消費者の声に注目したのです。2000年当時、河端繁社長は語っていました。

「通常価格から最大4割安くすることで、今まで着物を購入できなかった層を取り組みたい。扱い量の三分の一まで高めたい」と。

この低価格の商品戦略は取引ルート、取引形態などの仕組みを改革することで実現し、同社の驚異的成長の要因になったと言っても過言ではありません。

ちなみに2000年3月期の経常利益は15億3千万円、2001年は18億8千万円、2002年3月期は23億6千万円という抜群の成長性と収益性を記録したのです。