再生への「革新プログラム」(22)

きもの業界のボタンの掛け違いによる本質的な誤りです。結論から言えば、商人が商人の心を失い、マーケティングの原則を忘れ、強引な販売手法を常套化してきことです。

具体的にはオイルショック以降、多くの企業、小売業は猫も杓子も実用分野を捨て、一斉にフォーマル商品へ重点を移しました。これが減少するマーケットを奪い合う結果となったのです。

やがてフォーマルが飽和状態に入ると、次には「いかにモノを売るか」のハウツーが最大の焦点に。このとき消費はすでに「モノからコト」へ変わっていたのです。

にもかかわらず、「販売コンサルタント」と称するハウツー屋さんが続々登場し、遂にきものは売り上げづくり、儲けの手段に化してしまったのです。

その後はきものを愛好する固定客に甘えて「いかに買わせるか」の販売テクニックによる催事販売の強化と「確約」による動員手法に明け暮れたのです。

売り方の偏向はエスカレートを重ね、一部業者による悪質な販売会が登場するに至り、女性たちの夢は無惨にも裏切られたといっても過言ではありません。

こうした「モノ売り」手法は、結果的に「過量販売」など社会的規範を逸脱する問題を起こし、大型企業の倒産から業界全体のイメージダウンを招いたのです。

問屋・メーカーも行き過ぎた販売行為に懸念を表明しながら、生き残りのためにあえて目をつむらざるをえなかった一面もあります。

その蔭で一部とは言いながら、誠実な商いを続けてきた商人たちが不運にも挫折を余儀なくされたことも忘れてはならないのです。