再生への「革新プログラム」(18)

1975年に弊社が実施した「500人の意識調査」で、きものは「これからの生活で必要ない」(拒否派)と答えた人は全体の5%前後です。

30数年が過ぎてなお、「きものが着たい」という女性が圧倒的に多いことに驚きさえ感じるのは筆者だけではないでしょう。

「チャンスがあれば」「何かのきっかけ」があれば、「きものを着たい」「変身したい」、と今でも大多数の女性たちは考えているのです。

この80%に着目すれば、きものの潜在需要の大きさが理解できるのです。いかに魅力的な憧れ商品であるかを物語っています。

さらに別の調査データできものを着る「きっかけ」「チャンス」になったのは「友人、知り合いに誘われて」が30代、40代では圧倒的です。

こうした「きっかけ」がきものを着用する動機になったのです。数十年前までは家庭で母親、祖母が着ていたことが「きっかけ」になったのです。

考えてみると、これほど長い歳月にわたり根強く支持されているファション商品は滅多には見られません。まさにきものは日本の誇る伝統文化です。

このように女性たちから強い支持を受けながら、きものマーケットが大幅に縮小し続けているのは実に不思議な現象でもあります。

果たして縮小を余儀なくされた真の要因はどこにあるのでしょうか。どこかでボタンの掛け違いが生じたと見るのが妥当ではないかと考えます。

この場合、「ライフスタイルの洋風化」は本質的要因ではありません。なぜなら時代に適応するマーケットを創造していくことが業界人の使命にほかならないからです。