再生への「革新プログラム」(15)

消費者が必要とする商品を必要な時に、できるだけ安く提供していくのが「モノ売り型」の小売業が繁栄していく成長期の論理だったのです。

「同じ品なら必ず安い」という成長神話が生まれた背景です。この神話はマーケットが成熟化すると共に崩壊し、「同じ品は売れない」ことに変わったのです。

個性化、多様化を背景に消費パターンは「十人十色」からまさに「一人十色」、これを消費の成熟化、「文化化」と呼んできました。

百貨店で高級ブランド品を購入する一方、コンビニで話題のおにぎりを買い、昼食は回転すし、あるいは立ち食いのソバで済ませるのはごく普通のライフスタイルです。

本日(1月16日)のMJ(日経流通新聞)は「不況またよし」のテーマで独自調査からユニクロの快進撃を一面で特集しています。

ユニクロの値ごろ感、品質、おしゃれ感が評価されユニクロの服への出費を増やした人は19%。その45%が百貨店での服の購入額を減らしているとのことです。

いま生活者が求める小売業は「モノ売り型」ではなく、自分の生活に便宜と新しい情報、価値、潤いを与えてくれるライフスタイルの提案型です。

新しいライフスタイルに必要とされる商品は黙っていても売れます。たとえばゴルフを始める人はクラブ、バッグ、靴などを必ず購入します。

きものもオイルショックまで、生活のさまざまの場面で必要とされ、「きもののある暮らし」はごく普通のことだったのです。しかし生活変化に適応するマーケティングマインドが希薄だったことは否めません