独自の経営方針を確立するために(41)

鈴木正三の教えは今でも生きています。商人のタテ糸(本質)はそう簡単に変わるものではありません。商人のDNAは生き続けていくのです。

過日紹介した堂平信也会長(ゆたかや)は儲かる秘訣を「正攻法一筋でひたむきな努力」と表現しています。「ひたむきの努力」は、暖簾のある限り永遠に続けなければなりません。

「暖簾を守る」=店の継承とはそういう覚悟と実行力です。効率を求めて希薄になった「商人の心」、小手先のテクニックに溺れて崩壊するのは自然の理(ことわり)というものです。

ちなみに独創的評論で鳴らした山本七平氏は鈴木正三の考え方を「日本の資本主義をつくった人」(日本資本主義の精神)として高く評価しています。

右肩上がりの成長社会から正反対の成熟社会へ適応していくには、経営者が商人としての使命に気づくと共に変化の本質を洞察しなければなりません

世界的な金融危機の発端になった「サブプライムローン」は、「住宅は値上がりする」という成長社会の論理であり、成熟社会には逆行するものです。

いまこそ経営者は商人の使命に目醒め、「経営革新」(モノ売り業からライフスタイル提案業)、さらに「販売革新」(ES・CS)を断行しなければなりません。

口先だけの危機感は結果的に何も生み出すことなく、ただの延長戦に終始するだけです。したがって「三カ年計画」づくりの今、「店を変えることは自分が変わることだ!」の覚悟が必要です。

経営者が自らの心に火をつけることなく、店を変えようとするのは勘違いで無謀というものです。