独自の経営方針を確立するために(36)

きものの需要減少傾向は今に始まったことではなく、遠くオイルショック直後の成熟期から明らかにされていた問題です。

その根拠になるのは商品(マーケット)のライフサイクル仮説。導入期から成長期、成熟期、飽和期、消滅期(安定期)への必然的循環です。

こうした予測に対して業界はカジュアルからフォーマル商品へのシフトを強化し、加えて大幅な単価アップで売り上げの確保を目指したのです。

それと共に年ごとに新規採用が厳しくなり、業界に参入する若者の姿が少なくなって行ったのです。若者が参画しない業界に未来はありません。

弊社は明日のマーケットに危機感を共有する代表的メーカー、有力問屋12社で「きものプロジェクト21」を結成。

目指すは「2000年のきもの需要予測調査」(1990年実施)を実施し、マーケットの活性化戦略を明らかにすることです。

その結果、「このままでは沈没する!」と警告すると共に、マーケット活性化に向けて3つの戦略軸とシナリオを提示しました。

一つは伝統文化としての超高級化戦略、二つにボリュームゾーン維持・拡大戦略、三つは着用ネックを解消する新市場創造の普遍化戦略です。

その中核として若い女性を対象に伝統的な束縛を受けない「普遍化商品の開発」を提唱したのです。さらに生活者の視点に立つ業種・業態から「生活態」への転換を提案。

「生活態」はライフスタイルの変化に適応し、生活者の利益を優先し、顧客満足を追求する新しい業態です。