独自の経営方針を確立するために(30)

「アート型」、「サイエンス型」の二つの事業タイプは原則的に「相互不可侵的」、したがって共存が可能です。

しかし「アート型」から「サイエンス型」へ転換していく企業化はかなりの難問です。すでに見た継承が困難と見られる個人的なスキルを前提にしているからです。

さらに「科学的運営法」に切り換える時、ノウハウに遅れをとり同じ業界ですでに先行しているリーダー企業との同質競争に陥り敗北は免れえません。

この難題が「サービス・マネジメントのバミューダ・トライアングル」(魔の三角地帯)と呼ばれているものです。(ハーバード大学、D.D.ワイコフ、W.R.サッサー)。

それでは経営規模を拡大するにはどういう方法が考えられるかという切実な問題です。果たして有効な方法は存在しないのでしょうか。

ただひとつの方法は「人間的運営法」を基本にしながら、サービス水準を落とさずに成長を目指す、いわば「人間的運営法」と「科学的運営法」との折衷案です。日本の成功企業はほとんどがこのタイプから出発しています。

そのためには理念、価値の共有化を図り、全店のコミュニケーション密度を高め、他店にない独自の魅力(ストアブランド)をつくり上げることが課題です。

弊社が提唱している経営規模3億円から10億円の「理念経営」は、まさしくこの折衷案に該当する「企業的家業スタイル」です。

「家族コース」、「家業のコース」、「企業コース」のなか、どのコースを選択するかによりマネジメント、マーケティングの考え方、やり方が変わります。