独自の経営方針を確立するために(10)

「何屋さん」かを問う意味は、お客様の要望に応える自店ならではの商品力、サービス力を明らかにし、誇るべき得意技を磨き抜くことです。

どこででも見られる特徴のない、名ばかりの「モノ売り」専門店ならマーケットからの撤退を余儀なくされるのは当然です。

そこで「何屋さん」であるかを問い、明確な経営方針をつくるヒントとして弊社が推進している「理念経営」に耳を傾けていただければと思います。概略を紹介します。

創業期はひと言で「修羅場の経営」です。修羅場を体験した40代の経営者が挑戦するのが「組織の経営」(心の経営)で、すでに紹介したとおり「組織経営」は幹部社員の育成を最大の課題としています。

「理念経営」は組織経営をさらに進化させ、人と組織の力を高め、環境変化に適応しつつ繁栄を目指すマーケティングシステム=「客づくりの仕組み」です。

すなわちトップの経営理念(哲学)に共鳴する社員が顧客創造へ英知を傾ける独自の集団づくりです。したがって「理念経営」は各店ごとに個性があり、特徴が異なるということです。

その方程式は下記のとおりで、三点のなかのひとつが欠けても不十分です。

・理念経営=「トップの経営理念(哲学)×社員の働き甲斐×顧客満足」

まずはトップの生き方、哲学、信条などを基本とした経営理念づくりです。経営理念は「店がなぜ存在するか」の「なぜ」=「存在根拠」です。

経営理念が必要条件なら、家業専門店では社長夫妻のコンビネーションがいわば十分条件。この二つで顧客づくりを有利に展開することができます。