「ライフスタイルマーケティング」へ(7)

それでは「客づくり」と「売り上げづくり」の違いはどこにあるのでしょうか。同じことではないかとのご意見も少なくないようです。

あなたはどのようにお考えでしょうか? このテーマに対する考え方の違いが企業の存亡に関わる重大事に発展するのですから、きわめて重要と言わざるをえません。

結論から言えば、この違いが分からない人を真の商人と呼ぶことはできません。「客づくり」と「売り上げづくり」は根本的に違うからです。

すなわち売り上げが販売活動の「結果」であるのに対して、客づくりは販売活動の「プロセス」であると同時に事業の「目的」でもあります。

原因があるから結果が出ます。これが「因果関係」です。したがって結果だけを追い求める販売活動は本質的に誤りと言わなければなりません。

多くの業界人が売り上げをあたかも事業目的であるかのように錯覚した結果、マーケットと供給側のギャップが顕著になっていったのです。

それではなぜ、目的と結果を錯覚する結果に陥ったのでしょうか。

独断的に言えば、成長社会の直線的発想、拡大主義への盲信がその要因ではないかと指摘することができます。

つまり「売り上げは拡大する」ことを前提にした供給システムに依存し、需要の質的変化に疑念を感じつつも適応を怠ってきたということです。

売り上げ減少の「根本的な要因はライフスタイルの変化」と捉え、自からを変革することによりマーケットに適応していくのが問題解決の本筋です。