【本】大崎善生『ディスカスの飼い方』 | 本当はロバの耳なんだよ。

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『ディスカスの飼い方』
著者:大崎善生








【あらすじ】
熱帯魚の王様・ディスカスの飼育に没頭することで、世界と繋がろうとした涼一。
恋人は皆、彼の元を去って行った。
だがある日、深夜に不思議な電話がかかってきた。
その相手は、6年前に別れた、二度と会えない最愛の恋人・由真だった……。
かつて幸せにできなかった恋人を追憶しながら愛の回答を導き出す、恋愛小説の名手が紡ぐ至高の物語。
(裏表紙より)



【感想】
朝から一気読みしました。

大崎さんの作品はどれも惹かれるものが多くて。
たぶん大崎さんと感性が合うんだろうな…と勝手に判断してるくらい(笑)
熱帯魚が好きなとこも同じ☆



ストーリーとは別にディスカスの飼育の難しさや魅力がとても良く伝わってきました。
熱帯魚に全く興味がない人が読むと飽きてしまうのでしょうか?
専門用語が多すぎかな?(笑)
アクアリウム好きなあたしは「ふんふん。なるほど…。」と思いながら読んでいました。
ディスカスは熱帯魚屋さんでチラ見するぐらいで、魚としてはあまり興味がないのですが、
改めてとてつもなく奥深い熱帯魚なんだとびっくりしました。



大崎さんの本を読んでると、たいてい涙ぐみます…苦笑。
あたしがこの作品で泣いたポイントは、涼一と由真の関係ではなく、涼一と刈谷さんとの関係。
刈谷さんの優しさが胸に染みて、思わずウルっと。



大崎さんは、取り戻せない人間関係を描くのが上手いですね。
戻りたくても決して戻れない関係。
人間関係って脆くて、繋がっているためにはそれなりの努力が必要だったりする。
こういう作品を読むと、普段お付き合いしている人との関係を意識します。
振り返った時、後悔しないような自分でいたいな。




ディスカスの飼い方 (幻冬舎文庫)/大崎 善生

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