香川県最恐スポット「いもんた」(芋谷)の虚実 | ANIREISHA~アニメ、霊的スポット、旧車等~

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ガセ心霊スポットなのに心霊現象が起こる訳
先週放送された「口を揃えた怖い話」第4弾では、全国都道府県最恐スポットの香川県最恐心霊スポットとして、いのもんた、いや、「いもんた」が紹介され、メイプル超合金の安藤なつと村重杏奈がレポーターとして赴き、実際、村重がラップ音を聞き、映像にも不可解な動く「影」が映っていた。

いもんたは近年、オカルト界では全国的に有名らしく、座敷わらしハンターの原田龍二や事故物件済みます芸人の松原タニシ氏も訪れている。
いもんたは番組では「集会所」の意味として紹介されていたと思うが、本来の意味は地名の転訛だと思われる。グーグルマップ等ではいもんたの住所は「三豊市山本町神田(こうだ)」と表示されるが、神田は大字であり、詳しい地名じゃない。

神田の後に続く小字は「芋の谷(昔は「芋谷」と書くことが多かった)」。この読み方が転訛して地元では「いもんた」と呼ばれることがある。芋の谷の範囲は住宅地図(今は無きセイコー社の)を見る限りでは、北端と東端は神田裏山(小字名)との境界、西端は三豊市高瀬町羽方、同市山本町大野、同市山本町財田西との三境界、南端は東西に流れる神田川が境界になる。

 

 

 


この範囲の中で一番標高が高いのが知行寺山(162.6m)で、山頂から北東に延びる尾根の一つの突端に「いもんた」こと、知行寺山稲荷大権現がある。

言葉の意味が「集会所」と解される理由は、稲荷大権現やその下にある稲荷五社大明神の祭礼時、それぞれの畳敷きの拝殿に氏子が集まり、直会(食事)等を行うからだろう。畳敷きだから一般的な神社と比べると拝殿に集まり易い。

ところで、ここが香川県最恐心霊スポットと言われる所以は、何年か前、ネット掲示板に、氏子の一人、細川氏の一族が祟りを受け、一家全員自殺したことで、その霊が出没する、との書き込みがあったことによるものと思う。自殺者の一人のフルネームも挙げられていた。

しかしこの地を管理し、神社の御神体を自寺に遷座した市内の不動寺住職はこれらの曰くを否定していて、肝試し等で神社に侵入時は法的措置を取る旨、明言している。

この作り話が生まれた背景は、拝殿等に設置されていた複数の寄進札等に、細川氏の名前があるものとないものとがあり、途中で名前がなくなったのは何らかの理由によるものだと考えた者がいたから。

廃墟巡り等を好むその者は、衝撃的な逸話を掲示板に投稿すると注目されると思い、前述の作り話を投稿したんじゃないかと思う。

ネットでは神社手前の90度、道路の角度が変わる地点にある廃屋を細川家じゃないかと探索していた者もいたが、あれは民家ではなく、小屋。だから当然探していた表札やポストもない。
細川家は10年ほど前の住宅地図では、神田川の南の神田長瀬集落に五軒あるが、芋の谷にはない。長瀬の住人も位置的に稲荷大権現の氏子だろう。

祟りが作り話ならば、なぜ「口を揃えた怖い話」のロケ時や、肝試しに行った者の中に心霊体験をする者がいるのか、疑問に思うかも知れないが、特に曰くがなくても、人里離れた寺社や墓地に夜行くと、何らかの心霊現象が起こって当たり前だと思う。

普通、寺社や墓地には夜行くもんじゃない。夜はそれらの所は神聖な場所と見做され、人間が行くと穢れる、とされる。まして村重が上がって行ったのは、階段上の本殿(神仏習合だから仏堂風)。本殿は神職や、お祓いを受けて清められた者しか入ってはならない。だからラップ音も強い音がした。

しかし心霊スポット巡りをしに来る者を訴える、とまで言っている不動寺は、「口を揃えた怖い話」のロケを許可したのだろうか。もし許可したとすれば、100%番組スタッフは寺に嘘の理由を言って許可を取ったものと思われる。或いは無断侵入したか。

余談だが、神社から登って行ける知行寺山の山頂一帯は中世の知行寺山城跡で、堀切や郭、竪堀等の遺構が残っている。神社からは特に道はないものの、尾根を登って行くことで登頂できる。

明確な遺構としては、白い紐が巻き付けられた木の先に浅くなった堀切があり、山頂の手前には、この城跡随一の規模の堀切がある。山頂は展望がないが、意外と涼しい。

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明確な道がないだけに帰路はルートを誤ってしまい、往路の尾根より西の尾根を下ってしまったが、廃道化した林道に出て、結局周回することができた。

しかし神社までの道路は幅員が狭く、待避所もあまりない割りに二台の車とすれ違った。農家とは思えない乗用車は一体どこに行っていたのだろうか。村重杏奈ファンとも思えないし。
運転が苦手な者は国道から歩くことを勧める。
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