なぜ「シン・仮面ライダー」は振るわないのか | ANIREISHA~アニメ、霊的スポット、旧車等~

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女性に於ける仮面ライダー的存在も余談で

以前も触れたように今まで観た実写の映画の中で、映画館に足を2回運んだのは、一作品しかなかった。しかし今回、20年ぶりに2回観に行った作品がある。それが「シン・仮面ライダー」。

 

テレビ版のキャラクターデザインを継承したライダーの容姿はもちろんのこと、迫力あるアクション、二人のライダーの苦悩、ショッカーの教義(目的)等、深みのある作品になっている。個人的には「シン・ウルトラマン」より遥に良かった。

しかし興収的には「シン・ウルトラマン」には遠く及ばず、「シン」シリーズ中、最低となっている。とは言え、ネット等では、高評価して感動を述べる者が圧倒的に多い。

 

 

興収が振るわないことの考えられる要因としては、庵野秀明監督と俳優陣・アクション陣とのアクションに対する考え方の相違による不協和音と、それに伴うアクションCGの表現法によるものか。

ウルトラマンと仮面ライダーは共に、60歳前後以下の男性の殆どが子供時代に夢中になったヒーロー作品。しかし両者には決定的な違いがある。ウルトラマンを製作した円谷プロの源流は太平洋戦争の兵器(軍用艦や航空機)の特撮。一方の仮面ライダーを製作した東映の源流はチャンバラ劇。

 

 

ウルトラマンのメインが特撮なのに対し、仮面ライダーはアクション。光線も何も出さない仮面ライダーはアクションが「命」なのだ。それだけに庵野監督は拘りを持ち、アクション監督に対して再三、「段取りをこなすだけの殺陣ではなく、殺し合いを見せて欲しい」と注文した。

しかしそのアクション監督が所属するのは、初代仮面ライダー等でアクション指導をしてきたプロダクション。仮面ライダーのアクションについて最も詳しい人物と言える。両者の対立は俳優陣の心持ちや演技にも及び、主人公の俳優も「撮影の雰囲気は最悪」と吐露する始末。

 

 

庵野監督は思ったようなアクションが撮れなかったせいか、1号と2号ライダーが空中で闘うアクションのCGも、コマ撮りのようなぎこちない動きになっている。やはり実写ではドラゴンボールのような空中戦は無理なのか。ハチオーグとの闘いのシーンも、もっといい表現法があったように思う。これが今の日本映画の限界なのか。

が、それらを抜きにしても、「シン・仮面ライダー」は見て損はない作品。ライダーとショッカー下級戦闘員との闘いはR12指定されるだけあり、凄まじく、ライダーのパンチやキックで戦闘員は血しぶきをあげ、顔等も潰されている。クモオーグとの空中戦も迫力があり、歴代のライダー作品の中で、最も「ライダーキック」が美しい。

 

 

少し疑問に感じたのは、なぜ正義の味方である「ロボット刑事K」がショッカーの中枢にいる設定にしたのか、という点。これを知るには漫画「真の安らぎはこの世になく」を見るしかないのか。

その漫画は「シン・仮面ライダー」のショッカー側の前日譚だということだが、初代仮面ライダーの主題歌「レッツゴー!!ライダーキック」をショッカー側に立って替え歌を作ってみた。

 

 

『レッツゴー!!ショッカー、イィー!』

♪迫るライダー バッタの仮面

 我が基地狙う緑影 世界の征服果たすため

 ゴー ゴー レッツゴー 顔色悪い

 ショッカー ジャンプ! ショッカー イィー!

 黒いショッカー 下級戦闘員 ショッカー ショッカー♪

ところで余談だが、女性に取って仮面ライダーに相当するのは、30~40代女性が子供の頃見ていた「東映魔法少女」シリーズじゃないだろうか。

 

 

とは言っても、地方では放送されなかったケースもあるから知名度は仮面ライダーほどじゃない。東京ではフジテレビで放送されてたのに、関西じゃサンテレビや京都テレビでの放送だったし。シリーズの原作は仮面ライダーと同じ石ノ森章太郎。

初代の「ちゅうかなぱいぱい」や次の「ちゅうかないぱねま」は変身ヒロインと言うより、文字通り魔法少女モノだったが、「美少女仮面ポワトリン」でミニスカのコスチュームになり、変身ヒロインとしての地位を確立させる。

 

 

そのコスチュームはセーラームーンにも影響を与えたと言われているが、アクションスタントは男性がやってたから、パンチラを期待していた少年たちの心は砕かれたことと思う。

原作はどうだったか分からないが、ドラマのストーリーはナンセンスなものばかりだった。特に最終シリーズ作品(‘07年に一時的にテレビ東京で復活した『美少女戦麗舞パンシャーヌ 奥様はスーパーヒロイン!』を除く)「有言実行三姉妹シュシュトリアン」では、女児向きとは思えないストーリーもあった。

 

 

それはカメラの怪人が登場する回。その怪人は、地元の子供たちが、シュシュトリアンたちが鯉のぼりになってくれることを望んでいる、とのデマを流す。その裏では医者や会社経営者たちから高額のカネを取り、子供に変装してシュシュトリアンのパンチラ写真を撮らないかと誘う。仮面ライダーでは絶対あり得ない脚本。

と、いうことで、入場特典も嬉しい「シン・仮面ライダー」は絶対観るべし。

庵野監督には「シン・美少女仮面ポワトリン」を製作して欲しい、という人は次のバナーをクリックミー。

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