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■ 小さなことも継続は力なり!! ■

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鉄の加工製品を生産している中国工場の品質管理を指導して1年ちょっと経ったころの話です。

 

お世辞にも管理レベルが高いと言える工場ではありませんが、少しずつ働いている人の意識が変わってきていると感じます。

 

そのひとつが作業者の自主検査記録です。それまで作業者が自分の生産した製品の検査をする、その結果を記録することをこの工場ではやっていませんでした。検査はすべて品管部の検査員が行っていました。

 

工場の管理レベルを高めたいと考えた工場トップが作業者に製品の検査をやらせ、その記録を付けること、つまり作業者の自主検査記録の仕組みの導入を決めたのです。

 

通常の工場では当たり前のように実施していることですが、この工場ではそれまで実施していなかったので、簡単にはいきませんでした。

 

先ずは測定器の使い方を教えることから始めました。

ノギスの値の読み方を教えても理解できない作業者がたくさんいました。デジタルノギスを使えばよいのですが、価格が高いこと、落としたりすると簡単に壊れてしまうことから導入しませんでした。

 

記録を付けることもやったことがないので、最初のうちは記録しないことや記録の書き方が間違っていることが頻発していました。わたしも工場を訪問するたびにこの自主検査記録をチェックして、不備があれば管理者や作業者に注意をしてきました。


このチェックと注意を粘り強く続けることで最初に管理者に変化が出てきました。当初は作業者が書いた記録をチェックすることなどやっていませんでしたが、徐々にやるようになってきて、管理者のサインがない記録は見かけなくなってきました。

 

次に作業者の意識にも変化が出てきました。1時間ごとの自主検査と記録はやらないといけないものだと考えてくれるようになってきました。自主検査が習慣化してきたようです。

 

最近ではわたしの顔を見ると自主検査記録表を見せて「ちゃんとやっているぞ」と言ってくるまでになりました。やはり小さなことも妥協しないで見つけたら注意をする。この継続が力となって習慣化に結びついたものと考えられます。

 

自主検査記録が習慣化できたのは、わたしが毎回チェックし、口うるさく言ってきたことももちろんあります。

 

しかし、一番重要だったのは、工場のトップが「作業者が自主検査をして、その記録を付ける=作業者が自分の仕事の結果を保証する仕組みを作る」という意思を示したこと、そして、その方針がぶれなかったことだと思います。

 

中国工場で何かをやるときに「当たり前に出来るようになるまで続ける」ことは、工場のレベルに依らず大事なことではないでしょうか。

 

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