高市早苗首相とドナルド・トランプ米大統領による日米首脳会談が19日(日本時間20日),ホワイトハウスで行われ,中国・北朝鮮を念頭に置いた東アジア情勢や戦時のイラン情勢などについて協議された。

在米日本人ジャーナリストは,「過去の日米首脳会談を踏まえて,日米両国が互いの事情をよく理解しているとはいえ,高市首相は,イランによって事実上封鎖されているホルムズ海峡への護衛艦派遣など,トランプ大統領からの強引な要請を非常に警戒していたようだ。一方,トランプ大統領は,EU諸国からアメリカとイスラエルが起こした戦争に巻き込まれる危険性あることを理由に護衛艦派遣を拒否されるなど,これ以上同盟国側からの孤立化は回避しなけらばならない情勢であったため,イランへの軍事攻撃に対する日本側の厳しい対応を非常に警戒していたようだ。ところが,今回の首脳会談は,終始友好ムードで進行し,もともと相性が良いといわれる高市首相とトランプ大統領の距離感が一層縮まったものの,肝心なイラン情勢の平和と安定に繋がるような具体的な解決策は見えず,もやもやした感じで終わってしまったように思える。両首脳の意思疎通が迅速・円滑に機能することは大変重要なことではあるが,アメリカのニュース番組が今回の日米首脳会談を特別扱いするほど非常に注目されていたので,唯一の被爆国である日本として高市首相が何か発信できることがあったのではないかとも思う。なお,高市首相は,法律の範囲内での協力には前向きな姿勢を見せているので,日本の憲法改正に向けた動きにはトランプ政権内部での関心が高まっている」とコメントする。

今回の日米首脳会談が友好ムードで終始したことで,与党内からは安堵と評価の声が上がる一方,野党からは厳しい声も上がっている。

中道改革連合の小川淳也代表は,「温和な雰囲気で会談をやり切ったことは率直に評価したい」とする一方,「『世界の平和を守るのはドナルド(トランプ大統領)しかいない』というその言葉は,必ずしも日本国民の多くを代表してはいないのではないか」と疑問を呈する。

国民民主党の玉木雄一郎代表は,「肝心のイラン情勢の沈静化に向けた取り組みは,曖昧な点や公式に明かされていない点が多い印象だ」と指摘した。

日本共産党の田村智子委員長は,「イラン攻撃を一言も批判せず,世界中に平和と繁栄をもたらせるのは,ドナルドだけだ。諸外国に働きかけてしっかり応援したい」とトランプ米大統領を礼賛したことについて,「これは事実上のイラン攻撃支持だ」と断じ,「イランを一方的に非難し,世界に戦争と混乱をもたらしている張本人を礼賛する,逆立ちした,本当に情けない対米追随の外交に抗議する」などと批判した。

なお,日米首脳会談の前日19日の夜,国会議事堂前で,「イラン攻撃許さない!高市政権から平和憲法を守り生かす」をテーマに掲げた抗議集会・デモ(主催者発表,約1万1000人)が開催されていた。

日本の平和憲法の存在とその大きな役割を,国民が身近に感じることができたであろう日米首脳会談であったように思える。