衆参与野党による皇族数確保に関する全体会議で,女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ,旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎えるという二案についての審議が進められているが,高市早苗首相や伝統・歴史を重んじる保守系議員が女性天皇を実現する皇室典範改正に否定的な考えを示している影響か,女性天皇や女系天皇を巡る議論は審議内容には含まれていない。
永田町関係者は,「これまでの各種世論調査を見ると,女性天皇の実現に賛成する意見が多数を占めており,会議で女性天皇に関して議論されていないことには非常に違和感を覚える。『女性』という性別で役割が制限されることは,国際社会にも時代錯誤的な印象を与えるのではないか。天皇制の問題に関しては,日本の政治体制や基本的人権にも関わる問題と思われ,時代の移り変わりと共にいずれ真摯に議論されなければならない重要な課題であることは誰もが理解していたことだろう。そもそも,天皇の象徴としてのお立場は国民の総意に基づかなければならず,天皇制の問題には国民の理解と共感が得られることが必要であり,国会内だけでなく,国民の声にも真摯に耳を傾けながら国民的議論を展開する姿勢が政府には求められるだろう」と皇族数確保に関しての国民的議論の展開を望む。
天皇陛下は11日,オランダとベルギー公式訪問の前,皇居・宮殿での記者会見において,皇族数の確保策の議論に触れ,「皇室のあり方や活動の基本は,国民の幸福を常に願い,国民と苦楽を共にすることだと考えており,こうした皇族数の確保のあり方についての議論においても,国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」と述べている。
天皇制に関する問題は,「国会の総意」だけではなく,「国民の総意」に向けた議論を進めるべきなのだろう。