任期満了に伴う東京都清瀬市長選が29日投開票され,新人で無所属の元市議原田博美氏(共産,社民推薦)が,現職で無所属の渋谷桂司氏(自民,公明推薦)との一騎打ちを制し,初当選を決めた。

得票数は,原田氏1万3064票,渋谷氏1万1746票の大接戦で,投票率は40・18%であった。

地域新聞記者は,「今回大きな争点となったのが,市立図書館の存続問題。渋谷氏は,財政難と将来の人口減少を見据えて,市民の憩いの場であった図書館を,パブリックコメント(意見公募)も求めず閉館。地域住民にとって大切な市民の憩いの場,交流の場の一つであった図書館が,市民の声も聴かずに一方的に奪われたという不満が多くの市民の中にくすぶっていた中で行われた市長選であった。原田氏は,『市民の声に向き合う市政』を強調。先の衆院選では都内全小選挙区で圧勝していた自民だったが,その流れは続くことはなく,地域の暮らしと生活に寄り添って,閉館となった市立図書館の再開を訴えた原田氏が激戦を制した。原田氏は共産党公認で2003年の市議選で初当選し,6期目途中で市長選に挑戦した共産党籍を持つ市長である」と語る。

都内で共産党籍がある市長選が誕生したのは,1996年から4期16年務めた狛江市の矢野裕氏以来であろう。当時狛江市では,前市長がバカラ賭博による多額の借金で失踪し,その後収賄罪で逮捕されるという不祥事が発覚。また,保守地盤であるにもかかわらず,保守分裂状態という背景もあった。原田氏の当選により,全国で共産党籍がある現職の首長は,埼玉県蕨市長,大阪府忠岡町長,長野県中川村長の4人となった。