山尾志桜里元衆院議員の10日の記者会見には,山尾氏の国民民主党からの参院選への出馬表明への関心の高さから約100人の報道陣が集結。ところが,質問内容は平成29年に報じられた不倫疑惑に質問が集中し,山尾氏の出馬表明というより,むしろ釈明会見の様相となった。山尾氏は疑惑を改めて否定した上で,相手家庭など関係者について「傷つけたりすることは避けたい」などと疑惑への詳しい言及を避けたうえで,「当時の自分の行動と対応は極めて未熟だった」と謝罪した。

この記者会見を契機に,山尾氏が心機一転,国民民主党と共に夏の参院選に向けた動きを活発化させるシナリオかと考えていた記者も多かったが,国民民主党は11日の両院議員総会で,山尾氏の公認決定を見送ることを決めた。これに対して,山尾氏は猛反発。12日にはコメントを発表し,見送りの経緯に疑問を呈した上で「統治能力に深刻な疑問を抱いている」などと党執行部を批判し,離党届を提出した。

永田町を拠点に活動している選挙プランナーは,「山尾氏の出馬は既定路線とした上での記者会見と考えていたため,突然の出馬取消には驚いている。まさに『梯子を外される』展開だ。山尾氏は今回の記者会見は『針の筵』になることは覚悟のうえで,それでも政治に対する情熱をその場で訴えたかったのだろうが,記者会見の質問内容を見る限り,その思いを伝えることは難しい状況だったようだ。それでも山尾氏は党執行部(国民民主党)は自分の日本の政治に対する思いを理解しており,記者会見後も党が山尾氏を後押ししてくれるものと期待していたのではないか。ところが,急転直下の公認取消で山尾氏は落胆し,それがコメントの痛烈な党執行部批判にも表れているのだろう。記者会見での質問内容も,それに対する釈明内容も,その後の公認取消も,何とも後味の悪いものであった。もっとすっきりと前に進めるような展開が考えられなかったのだろうか。残念ながら,今回の山尾氏の行動と対応にも未熟さを感じてしまう」と山尾氏をめぐる公認取消問題に言及する。

11日の両院議員総会後,国民民主党の榛葉賀津也幹事長は山尾氏の公認取り消しについて,「国民民主党を支えているすべての都道府県連,全国の地方自治体議員から,同様に,山尾さんの公認は見送ってほしいという声がありました。ただし,山尾さんにも弁明のチャンスを与えるべきだという声もあり,昨日,山尾さんには会見を行っていただきましたが,多くの皆さんから,疑問を払拭する会見ではなかったという声があり,本日の両院議員懇談会においても,来たる参議院選挙で,党が一丸となって戦う環境を整えるためには,山尾さんの公認は見送ってほしいという声があった」と説明した。

山尾氏の記者会見でのマスコミ・世論の反応を見てから,党としての対応を決めようとしたということなのか。山尾氏の国政選挙に向けた動きには今後も注目していきたい。