5月3日は戦後80年の憲法記念日である。日本国憲法は「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」を原則とし,政府の行為により二度と戦争という悲劇を繰り返さないために,その前文においては全世界の国民が平和のうちに生存する権利を有することを確認し,第9条においては平和主義を規定し,戦争と戦力の放棄を宣言した。
護憲派と改憲派によるイベントが全国各地で開催され,都内でも護憲を訴える「九条の会」などでつくる市民グループが「武力で平和はつくれない!とりもどそう憲法いかす政治を」(参加者約3万2000人:主催者発表)を,改憲を訴える「美しい日本の憲法をつくる国民の会」などと日本会議が「公開憲法フォーラム」(参加者約800人:主催者発表)を開催した。
ロシアがウクライナ侵略を継続し,ガザ地区での紛争も終結の見通しがたっておらず,未だ惨劇が続いている。また,東シナ海,台湾海峡,南シナ海において,中国が海軍と海警局の艦船計90隻超を展開して台湾やフィリピンを威圧している。さらに,インドとパキスタンが対立するカシミール地方で起きたテロ事件をめぐり,両国間の軍事的緊張が高まっている。
このように対立が激化する国際情勢において,欧米各国などは軍事費を増加させる対応を取り,米国は日本に対して,「日本はGDPに占める防衛費の割合を少なくとも3%にまで引き上げるべきだ」と軍備拡大を主張している。
護憲派の憲法集会に参加したジャーナリストは,「権力者の愚かな判断で,今でも世界中で激しい戦いが展開し,平和に暮らしてきた人々の命を,いきなり理不尽に奪っている。戦争がより身近に感じる国際情勢だからこそ,日本国憲法の存在が一層頼もしく思える。日本は各国の軍事力の増強合戦とは一線を画して,世界に誇る理想的な憲法に基づいた独自の国際紛争の解決方法を見い出す役割を担っているのだと思う。アメリカから防衛費の負担を主張されたとき,『日本には平和憲法があってよかった』と思われた日本国民も少なくないだろう」と国際社会における日本の役割を示唆する。
ゴールデンウイーク,観光地は多くの人で賑わっているが,私たちの未来のためにも,私たちを守ってくれている憲法を読み,考えるという,そんな憲法と向き合う時間として,ゴールデンウイークの一部を過ごしてみてはいかがでしょうか。あなたは私たちの憲法を読んだことがありますか。