石破茂首相が自民党の新人議員15人に1人10万円分の商品券を配った問題で、野党側から「官房機密費(内閣官房報償費)が原資ではないのか」などととの指摘されたことにより、同問題は歴代政権にも波及している。機密費の支出額は年間10億円超にも上るが、国民の税金であるにもかかわらず、その使途内容の公表義務は一切なく、秘密のベールに包まれている。
この官房機密費に関して、2002年4月12日に日本共産党の志位和夫委員長(当時)が、官房機密費の使途の実態を明らかにした内部文書を公表したことがある。
その詳細については、2025年3月27日付しんぶん赤旗「商品券配布 共産党公表資料にメディア注目」でも掲載されているが、内部文書には「国会対策費」「パーティー」「香典」「餞別(せんべつ)」「商品券」「仕立券」「靴券」などの項目で支出されており、国家の安全保障に関わるような極秘扱いにしなければならない使途とは思われない内容のものが存在している。
大手マスコミの政治記者を経験し、現在永田町を中心に取材する政治ジャーナリストは、「志位氏(日本共産党議長)が公表した文書は、宮沢喜一内閣で加藤紘一氏が官房長官を務めていた時期の会計記録の一部で、『商品券』『高級料亭での会食』など、その使用目的は『官房機密費』に対する国民のイメージとはかけ離れており、まるで自民党の『交際費』ように使用されていた疑いが持たれるようなものであった。『政治とカネ』の問題で税金の使途に対する透明度を高めようとしている今の時代にあっては、官房機密費をタブー視するのではなく、チェック機関を設置し、ある程度の期間を経た後、その使途を公開すべきであろう。そもそも国民の税金を使うのだから当たり前のことだ」と官房機密費の使途公開を提言する。
商品券配布問題が発覚後の世論調査によれば、石破内閣の支持率が急落し、内閣発足後初めて3割を切っている。野党側は、同問題で石破首相だけではなく、同様に配布していた岸田文雄前首相も国会の政治倫理審査会に出席すべきだと主張しており、今夏の都議選、参院選に向けて同問題での野党の攻勢がさらに強まりそうだ。