第217回通常国会が開幕し,石破茂首相の施政方針演説など政府4演説に対する各党代表質問が衆院本会議で行われている。代表質問のトップバッターに立ったのは野党第一党・立憲立憲民主党の野田佳彦代表。昨秋の衆院選では自民派閥の裏金問題に対する批判を全国展開して議席を1・5倍に躍進させた勢いのまま,新たに東京都議会自民党会派の裏金事件が明るみになる中,野田氏は,「政治資金パーティーをめぐる裏金の問題は,自民の派閥だけに限らず,地方組織に蔓延している疑いが高まっている」と指摘し,「企業・団体献金の禁止」を石破首相に改めて要求した。また,有罪が確定した旧安倍派会計責任者(当時)の参考人招致も求めた。
立憲関係者は,「今,最も国民が関心を持っているのが自民党の裏金問題。この問題の温床となっているのが企業団体献金であり,これを今国会で禁止させるのが立憲の役割と考えている。総務省によれば,昨年の自民党が受けた企業団体献金の総額は約24億。他党を大きく上回り,自民党としては絶対に変えたくないところだろうが,最高裁の判例もあり,石破首相は企業団体献金を容認する強気の姿勢を崩さない。しかし,その判例から長い歳月を得ており,『政治とカネ』が深刻な問題になっている今の時代にあっては,最高裁の判断を伺う機会があれば,判例変更もあり得るのではないかと見ている。『企業団体献金禁止』というテーマでは野党としても比較的まとまりやすく,参院選に向けて国民の支持をさらに広げる絶好の機会でもあり,野田代表はさらに攻勢を強めていくだろう」と野田代表の代表質問を評価する。
また,共産関係者は,「企業団体献金禁止は,自民党の裏金問題が発覚する以前から,公正な政治を歪めるものとして長い間共産党が禁止を主張し続けてきた問題。金権腐敗の根を絶つためには,企業献金を全面禁止することが不可欠であることは一連の自民党の裏金問題を見ても明らかであり,企業献金や政党助成金に頼る政党には国民本位の政治・政策を期待できない。企業献金も政党助成金も直ちに禁止・廃止すべきことが国民のための政治を実現するための第一歩と考えている」と企業団体献金禁止・政党助成金廃止への取組に向けた意気込みを語る。
2025年度予算案の審議が進められる中,都議会自民党の政治資金パーティー収入不記載事件が発覚したのを受け,自民党の裏金問題も主要テーマとして再浮上した通常国会では,野田氏は自民党の地方組織に対する調査を再び実施するよう首相に迫り、今後も「政治とカネ」で紛糾する様相だ。
金権腐敗政治が未だ払拭できず,少数与党の不安定で暗いイメージの日本の政治状況において,トランプ大統領が石破首相との早期会談実現を期待しているのか疑問を持ち始めた識者もいるようだ。トランプ大統領は移民問題やウクライナ問題など最優先すべき課題も多く,できれば安定した石破政権との日米首脳会談の実現を望んでいることだろう。国民の「納得」と「共感」を得られた明るく「楽しい日本」を早期に再生させようとする石破政権の真摯な取り組みこそが,日米首脳会談を実現,成功させる鍵となりそうだ。〆