米テレビ界最高の栄誉とされる第76回エミー賞の授賞式が16日(現地時間15日)に米ロサンゼルスで開催され,俳優の真田広之がプロデュース・主演を務めた時代劇ドラマ「SHOGUN 将軍」が作品賞を受賞した。また,真田が連続ドラマ部門の主演男優賞,アンナ・サワイが主演女優賞,フレデリック・E・O・トーイが監督賞を受賞し,テレビ番組の単一シーズンとしての史上最多受賞記録となる18冠の快挙となった。 現地で取材した日本人ジャーナリストは,「『SHOGUN 将軍』は,ハリウッド作品ということもあって,クオリティーの高い作品を作るためには可能な限りの資金を投入しており,圧倒的に迫力ある映像を創作している。また,作品を観ていると,プロデューサーの真田ら日本人スタッフが現地の制作チームと共に衣装や小道具,武士の所作や侘び寂びなど,描写する時代の細部にいたるまで徹底的にこだわり,クオリティの高い作品を制作しようとする意気込みが伝わってくる。さらに,脇を固める俳優陣のリアリティの高い演技力は見る人をさらに魅了する。1981年に同じ小説を原作とするドラマ『将軍 SHOGUN』が三船敏郎と島田陽子主演で制作され,三船敏郎がノミネートされたことがあったが,その時は受賞は逃していたが,当時も高い評価を得ていた。海外では,日本人俳優として,役所広司,西島秀俊,三船敏郎,渡辺謙,千葉真一ら多くの日本人もその演技力を高く評価されており,日本の映画界も海外を視野に入れた作品をもっと制作してもらいたいと思うし,今後の日本人俳優のさらなる海外進出が楽しみである」とエミー賞史上初の快挙を喜ぶとともに日本の映画界に期待を寄せる。

「SHOGUN 将軍」は,作家ジェームズ・クラベルのベストセラー小説を映像化した戦国ドラマで,天下分け目の「関ヶ原の戦い」前夜を舞台に,知略に富んだ武将・吉井虎永(真田)の領地に漂着したイギリス人航海士ジョン・ブラックソーン(コズモ・ジャーヴィス)を中心に,戦国武将たちの陰謀と策略の渦巻くドラマである。なお,関連作品として,特別番組『The Making Of Shogun』が短編部門でノンフィクション・リアリティシリーズ賞を受賞しており,まさに歴史的快挙である。