日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」日曜版5月26日号が,「規正法『改正』どの口がいうのか」などの見出しで報じた内容に関連して,自民党の鈴木馨祐衆院議員は24日の衆院政治改革特別委員会で,自身が代表を務める自民党神奈川県第7選挙区支部の2021年分政治資金収支報告書に,寄付66万分が不記載だったことを事実として認め,謝罪した。

鈴木議員に関しては,12日のNHK番組では,内閣官房報償費(機密費)について「選挙目的で使うことはない。断言する」と明言。規正法改正に後ろ向きだとの野党側の指摘に対して「自民の力をそぎたいという政局的な話と再発防止がごっちゃになっている」と反論するなどしたことで,野党側が猛反発していた。

古参政治ジャーナリストは,「官房長官の経験がない鈴木議員が,機密費の使い道に関して自信満々に発言していたことには呆れた。どこを向いて発言しているのか。国民目線ではないことだけは明らかだろう。鈴木氏は共産党の追及で合計8件の不記載を『事務所のミス』として認めたが,自民党が派閥裏金事件を受けて設置した党政治刷新本部作業部会の座長を務めている。また,政治資金規正法改正に向けた自民党改正案の提出者の1人でもある。自民党の裏金問題に国民が厳しい目を向けている中にあって,このような議員が部会の座長という立場で,法案提出者の1人として法案を提出することに国民は納得できるだろうか。今の自民党を見ていると,かって政権交代した時の自民党以上に民心が離れていくように思える」と自民党の現状を憂う。

党政治刷新本部作業チームの座長であり,政治資金パーティー裏金事件を受けて自民が提出した政治資金規正法改正案の提出者の一人でもある鈴木議員。物価高で日々の生活に苦しんでいる国民感覚からすれば,今の政権には「政治とカネ」の問題を一掃することを期待することはできないということなのだろう。