昨年11月,和歌山市のホテルで開催された「青年局近畿ブロック会議」後の懇親会で,なぜか露出度の高い衣装を着た複数の女性ダンサーがセクシーダンスを披露し,参加者から口移しでチップを受け取るなど,会議後の懇親会にしてはあまりにも不適切な内容であったことが詳細に報道されている。

この問題をめぐり,青年局長の藤原崇衆院議員と青年局長代理の中曽根康隆衆院議員はともに役職を辞任した。

藤原氏は,「来賓ということで会合に参加し,どういう内容かは把握をしていなかったが,本来であれば止めるなどの対応を行うべきだった。結果的に止めるということに至らなかった」と説明。そのうえで,「最終的な責任は青年局長の私にある」と辞任の判断について述べるとともに,「不適切な対応で,国民の信頼を損ねる行為だった」として謝罪。

中曽根氏は,「不適切で,世間とずれていたパフォーマンスだった。党本部の青年局の役員という立場で,中断や中止を促すこともできた」と省みた。そして,「私の思い,行動が至らなかったという責任を大変,感じている。多くの国民の信頼を損ねる形になり,心からおわび申し上げる」と述べ,「ゼロから出直すつもりで頑張りたい」とした。

一方,両氏ともに議員辞職は否定した。

永田町関係者は,「国民が生活に窮してる中にあって,自民党の集まりで企画するような内容ではないだろう。その場だけ盛り上がれば全て良しと短絡的な発想から生まれたものであろうが,あまりに稚拙で開いた口が塞がらない。とばっちりを受けているダンサーたちも迷惑だろう。国民はこのようなことは氷山の一角で,発覚していない不適切な会合がまだ他にもあるのではないかと疑うだろう。『自民党は今や学級崩壊状態だ』とも言われているが,誰もダンスショーを『この場ではふさわしくないので申し訳ないが中止してもらいたい』などと毅然と止められなかったというのは,その場の雰囲気に流されていて非常に恐ろしい。言わなければいけないことを言わないのは政治家としての資質に欠けていると思う」と語気を強める。

自民党女性局のフランス研修におけるエッフェル塔前の記念撮影問題に続き,青年局の懇親会での不適切な企画の発覚。国民のことを思い,国民に寄り添う努力をしていれば,このような呆れるような不適切な行動はできないだろう。