2022年3月にアイルランドの首都ダブリンで行われた少女たちによる体操大会の表彰式で,黒人の少女だけがメダルをかけられなかった問題が再燃している。
その映像は衝撃的なものだ。アイルランド体操協会の女性職員が表彰されて笑顔の白人の少女らにメダルを首にかけているが,黒人の少女の順番になるとその少女にはメダルをかけないまま順番を飛ばし,戸惑う少女を無視して,次の白人の少女らにメダルをかけるという様子が映っている。
問題の場面は昨年3月に撮影されたもので,その投稿された動画がSNS上で拡散。人種差別的行為との批判が殺到し,米の黒人体操選手のシモーン・バイルス氏は,動画について,「心が折れる」とX(旧ツイッター)に投稿し,「少女の両親から連絡を受け,ビデオメッセージを送った」ことを明らかにした上で「どんなスポーツでも人種差別は絶対に許されてはいけない」と記している。
スポーツジャーナリストは,「国際社会がいかなる差別の撤廃に取り組んでる中,信じられないような映像が拡散していることに驚いた。あってはならないことで,その内容は目を疑うものだ。職員のうっかりミスであってほしいが,映像を見ると気分が悪くなるし,戸惑っている黒人少女の様子にその場にいた大人たちは誰も気が付かなかったのだろうか。このような映像がSNS上で世界中に拡散した後,黒人少女はアイルランド体操協会から謝罪されたとのことだが,現代のような情報化社会でなければ,今回の事態が問題視されなかったかもしれないのではと思うとぞっとする」と映像に困惑する。
なお,アイルランド体操協会はこの問題で声明を発表し,「両者間で既に解決している。メダルを渡さなかった職員は故意ではなかった。直後にはメダルを渡している。対面での謝罪は受け入れられなかったが,後に謝罪文を送付した」などと主張している。
自分だけがメダルをかけてもらえなかった時,少女の心はどれほど傷ついたことか。
少女の母親は怒りは収まらず,「アイルランド体操協会は職員をかばっている。職員の謝罪文も短く,真の謝罪ではない」などと憤りを語っている。大切な子供を公の場で傷つけられたのだから当然のことだ。