全労連系の第94回中央メーデーが1日,東京都渋谷区の代々木公園で開催された。新型コロナ対策の人数制限をなくした大規模での開催は4年ぶりである。主催者によると,約1万5千人が参加したとのこと。

全労連の小畑雅子議長は「3年余りのコロナ禍のもとで,新自由主義経済政策の矛盾があらわになった。正規と非正規雇用,男性と女性の賃金格差がますます広がっている。また,物価高騰が追い打ちをかけていると」と指摘し,「春闘では大幅賃上げを勝ち取るためにたたかう労働組合のバージョンアップに挑戦し,貴重な教訓を積み重ねてきた。ディーセントワークの実現のために労働組合の役割は大きい。掲げた要求に確信をもち,労働組合への結集を高め運動をすすめよう」などと訴えた。また,「戦争か平和かの重大な岐路に立つ今,大軍拡・大増税,改憲ではなく憲法を生かし,平和な日本をつくるために,幅広い労働者・国民の共闘を」と呼びかけた。

全日本国立医療労働組合の前園むつみ委員長は「コロナ禍で疲弊しているのに賃金は上がらずストライキを決行した。使命感だけでは働き続けられない。今回多くの組合員の参加で大きくアピールできた。機構の姿勢を変えるために,団結してたたかっていく」などと表明した。

回転ずしチェーン「スシロー」のストに参加したアルバイトの男子大学生は,パートの主婦が仲間に加わるなど賃上げ要求の輪が広がっていると報告した。

来賓として挨拶した日本共産党の志位和夫委員長は,たたかう労働組合の結束した力と政治の責任で賃上げを推進する力を強調し,ストライキが当たり前の社会実現,消費税5%への緊急減税とインボイスの中止を訴えた。さらに,志位氏は,「次々に悪法が衆院で強行されるなか,5年間で43兆円の大軍拡の財源を捻出する軍拡財源確保法案の連休明けの採決が狙われている」と指摘。「悪法の採決を強行してきた自民,公明,維新,国民の悪政4党連合の暴挙に強く抗議し,必ず廃案に追い込もう」と呼びかけた。

また,日比谷メーデー実行委員会の中島由美子代表幹事は連帯あいさつで,「連帯し,平和の上にジェンダー平等を確立しよう」と呼びかけ,安全保障関連法に反対する学者の会の浅倉むつ子早稲田大学名誉教授は,「労働時間を短縮して生活時間を取り戻し,民主主義のために使ってほしい」と挨拶した。  

  参加した20代女性は「賃上げされても賃金が物価の高騰にともなっていないので,生活が楽になったということはありません。政府は軍事予算を増やすよりも先に私たちの生活を考えてもらいたい。そもそも9条があるので軍事力を拡大することはできないのではないか」と話す。

参加した60代男性は「収入は変わらないのに,食材が値上がりし,電気料金やら運賃が上がり,生活にゆとりがない。政府は軍備を拡大する費用を福祉に回すべきだ」と話す。

永田町関係者は「日本には歴史的な経緯から2つのメーデーがある。全労連系のメーデーは,従来通りの企業と対峙する労働団体によるたたかうメーデーだ。連合のメーデーはたたかうメーデーを含みながらも連携のメーデーに転換しようとしている。それぞれのメーデー参加者の話を聞くと『物価高騰に賃金アップが追い付かず,生活が苦しいままだ』などと主張の共通点は多く見られ,労働者が一致団結することで1つのメーデーが実現すれば,もっと政治的な影響力も強まるのではないかと思う。もっとも,現実的には労働団体の共闘は野党共闘よりも実現が難しいといわれている」と話す。

全国の労働者たちによる共闘が実現すれば,もっと政治を動かす大きな力が生まれるということなのだろう。