ロシアのプーチン大統領は25日,ウクライナで軍事作戦に追加動員された兵士らの母親17人をモスクワ郊外の公邸に招いて懇談した。
この日は,ロシアの「母の日」である。
この時の映像はネット上でも見られるが,プーチン大統領を囲むように戦場にいる兵士たちの母親が座っている。
その中の一人が写真を掲げながら,「わたしの息子は,街を守るために戦って死にました」と語ると,その言葉に飲み物を口にしながら,じっと見つめて耳を傾けているプーチン大統領。
その際,プーチン大統領は,「交通事故でも年に3万人が死ぬ。人は誰でもいつかは死ぬものだ。問題なのはどう生きるかだ。死亡した兵士はヒーローだ」と主張し,兵士が国に殉ずることを称えることで正当化している。
ロシア側の死傷者数はこれまでに10万人以上で,動員された若い兵士たちの死亡も多く確認されている。
この映像を見た在日ロシア人学生は,「参加している女性全てが実際に動員された兵士の母親かどうかも疑問であるが,ロシア国内で広がる戦争や動員に反対する声を,母親との懇談の様子を映像で流すことで,少しでも抑え込もうとする意図があるのだろう」と話している。また,「人は誰もが死ぬ運命にあるが,必ずしも戦争で死ぬわけではない。私は戦争では命を奪われたくない」と,プーチンの主張に猛反発していた。
ロシアによるウクライナ侵攻が終結しない限り,犠牲者は増える一方であるが,そんな中,ロシアの友好国ベラルーシから不可解なニュースが報じられた。
欧米とのパイプがあるマケイ外相が26日に首都・ミンスク郊外の自宅で死亡したのだ。ベラルーシ紙「ナーシャ・ニーワ」は28日,マケイ外相の死因が心臓発作だったと報じている。
マケイ外相は,ルカシェンコ氏の後継候補として名前が上がり,ロシアの影響下にない数少ない人物の1人で,欧米側と関係改善にも取り組み,ロシアに批判的な立場をとることもあったとのこと。
ネット上では,マケイ外相がFSB=ロシア連邦保安局が開発した毒物で殺されたとの情報が拡散している。この毒物は心臓発作や脳卒中,心不全を引き起こすということだ。
毒殺を想起する人の多くは,2006年にロンドンで起きたロシアの元情報将校アレクサンドル・リトビネンコ氏の毒殺事件や2020に旅客機内でに遭ったロシアの反政権活動家アレクセイ・ナバリヌイ氏の毒殺未遂事件を思い出していることだろう。
上述の学生は「ロシアは独裁国家。たとえ違法だとわかっていても,上がやれと言えば下は何でもやる。それを正義だと思い込んでいるのだ。マケイ氏はベラルーシの参戦には反対しており,ロシア側がベラルーシを参戦させるために毒殺した可能性は十分考えられる」と話している。
ロシアによるウクライナ侵攻で,今も失われるはずのなかった多くの命が奪われている。