新型コロナウイルスの感染の収束が見えない中,猛暑日が続く熱中症患者の増加などで,現場の医療従事者の過酷で逼迫する状況はさらに厳しさを増している。
そんな中,ある看護師が,テレビが旅行やイベントについて取り上げている一方,ナースは休み返上で働き,さらにボーナスも下がっているという実情が続いているという怒りを訴えるツイートが波紋を広げているようだ。
漫画家の倉田真由美氏がツイッターで,このツイートに対し苦言を呈したのだ。
倉田氏は14日にツイッターを更新し,「自分が忙しいことを嘆き,怒る医療者のツイートを見た」と言及。「仕事が忙しくてつらいなら,その仕事を辞めればいい」「ボランティアじゃないんだから対価を貰っているんだろ」と指摘し,「病気になった人を責めるくらいなら,辞めてくれ」とコメント。
これに対して,医療従事者を名乗るツイッターユーザーらからは「医療従事者がストライキでも起こしたら今の日本どうなると思います?皆ギリギリのラインで頑張ってるんです」「対価に見合ってない労働を強いられてるんですよ?」「医療従事者のギリギリの心の叫びをバカにしないで」「対価以上の仕事していますし,現場にしかわからないことがある」「疲弊した医療従事者を追い詰める暴言」「それで辞める医師が増えた結果,一番困るのは倉田さん含め我々なのですが,それは御理解の上でのツイートですか?」「忙しいから辛いのではなく,必死に戦っても,救える命が救えない現状が辛いのですよ。だって,現場で出来ることに限りがあるんです。倉田先生あんまりです」「医療従事者がいっせいにCOVID対応をやめたら,困るのは患者さんたちなのに……ボロボロになりながら頑張っている方々が罵声を浴びるのはあまりにも理不尽では」などという反論が多数投稿された。
一方,倉田氏は「システムに怒るならともかく,病気になった人を責め罪悪感を抱かせるような医療者はいらない。社会のためにならない」「『病気になった人を責める医療者』は,『犯罪を犯した被告人を責める弁護士』より遥かにタチが悪い。『その職業に従事する人間として最低限の建前』を守れない人間は,業界全体の不審を招く」「SNSで拡散する愚痴は,身近で親しい人間に吐く愚痴とはまったく違う。駅前で拡声器で訴えるよりも多くの人に届いてしまう。『Twitterで愚痴を言うくらい~』という人もいるが内容が度を超えているのなら,それは批難されて然るべき」などと投稿をしている。
今の新型コロナウイルスの拡大状況を見れば,「政府は現状に対応し得る具体的な政策をしているの?」「コロナの変異にもっと柔軟に対応できないのか」「『基本的な対策をしっかりやりましょう』とアナウンスすることで,それぞれの基準で感染防止対策をしっかりやっていれば何をやってもいいのだと勘違いしている人が出てくるのではないか」などとシステムを問題視するのは当然のことだ。
また,感染リスクの高い行動をして当然のように感染した患者に接すれば,今の苦境の中で現場の医療従者の方々に怒りも湧いてくる気持ちも人として十分理解できる。そのような中でも,現場の医療従事者はその仕事として患者の治療には専念し続けているのだ。私たち一人一人が今,どのような方法で医療従事者に協力することができるのだろうか。今は感染初期の頃を思い出し,「密閉」「密集」「密接」を避け,会話は控えめにするなど感染リスクの高い行動をしないよう意識し,できるだけ医療従事者の負担を軽減したいものだ。