東京オリンピックが23日開会した。新型コロナウイルスの感染拡大が広がり緊急事態宣言が出されている中での特別なオリンピックである。
 また,日本人の中に潜む差別意識が浮き彫りになったオリンピックでもある。
 東京オリンピック(五輪)・パラリンピックのロゴで“パクリデザイナー”と呼ばれた佐野研二郎氏,女性に対する不適切発言で五輪・パラリンピック組織委員会会長を辞任した元首相森喜朗氏,タレントの渡辺直美さんをブタに変身させ「オリンピッグ」と揶揄するような演出を提案した問題が発覚し辞任した佐々木宏氏,過去に障害者の人をいじめたことを自慢げに話していたことが発覚し辞任した山田圭吾氏,過去教員への嫌らがせと思われる行動のほか,障害児への発言などが問題となり辞任した絵本作家のぶみ氏,ユダヤ人大虐殺したホローコストをまるで子供の遊びのように“ユダヤ人大量惨殺ごっこ”と極めて不適切な表現をコント上で表現していたことが発覚し解任された劇作家・小林賢太郎氏。
 特に,小林氏の問題は衝撃的だった。ホローコストは絶対にギャグにはできない悲惨な事件である。ユダヤ系人権団体は「どんなに創造的であっても,ナチスの虐殺の犠牲者をあざける権利は誰にもない」との声明を発表し,政府も「言語道断」と切り捨てた。過去の問題発言をどこまでさかのぼって責任を負わねばならないのか,当時の言動について猛省していてもそれは許されないのかという課題はあるが,ホローコストはとても笑いのネタにはできない歴史的な殺人事件である。
  盗用疑惑や女性蔑視,,体型揶揄,イジメ,そして絶対に笑えないコント。これらの問題は世界中に日本の恥をさらし,日本という国のイメージを大きく落としたことは間違いないだろう。
 今回の東京五輪では,日本の新型コロナウイルス対策だけでなく,日本人の中に潜在する差別意識を世界中に発信させたように思える。この機会に,いじめなどの根底にある差別意識を世界中の人々と共に考え,先ずは我々日本人の中にある差別意識を撲滅していきたいものだ。
  五輪で炎上する人々を最後の聖火ランナーにしたらなどとギャグで差別を批判していた聡明な芸人の方もいたが,最終ランナーはテニスの女王である大坂なおみさんが務め,東京オリンピックがいよいよ開幕した。