「文春砲」が炸裂した。菅義偉首相の長男と総務省幹部との会食の内容が録音された音声の存在が発覚したのだ。文春オンラインは,長男が2020年12月,総務省の秋本情報流通行政局長ら4人と会食した際,「BS」や東北新社が出資する「スターチャンネル」など衛星放送に関する発言があったとして,会話の内容を録音したとする音声を公開した。
会食発覚当初,秋本情報流通行政局長は,これまで「衛星放送やスターチャンネルについて話題になった記憶はございません」「東北出身者,あるいは親御さまが東北出身者の懇談会という位置付けでございまして...」(菅首相は秋田県出身)などと答弁してきた。
しかし,今回の報道により,音声録音のテープの内容と,これまでの単なる東北の出身者の会とか,懇親会とかの説明とは相反するものだとして,野党は追及を強める構えだ。また,衛星放送を所管する総務省と東北新社は利害関係者にあたり,接待は法令違反である可能性も指摘されており,「別人格」といえども,菅首相には大きな痛手となりそうだ。
なお,音声では,BSなどの放送事業が話題になっているが,総務省の回答は,秋本局長が音声の一部を自分のものだと認める一方で,BSなど衛星放送に関する発言は「記憶にない」としている。
菅首相の長男は,第一次安倍政権での総務大臣秘書官から東北新社に転職し,現在,同社のメディア事業部趣味・エンタメコミュニティ統括部長という要職にあるそうだ。映像制作会社の東北新社は,衛星放送事業も手掛け,菅が大臣を経験した総務省が認可を下ろしている。そんな利害関係企業に就職した元大臣秘書官が,総務省の高級幹部官僚4人を接待していたのである。長男がなぜ総務官僚の接待を繰り返していたのか,また,ない。そもそも総務大臣秘書官がどうして東北新社に再就職できたのか。国民・世論の「長男による接待問題」への関心が高まってきている。
ちなみに,17日の衆院予算委員会で,立憲民主党の後藤祐一氏が,「長男による接待問題」を追及し,同社から政治献金を受けていたとして首相に説明を求めたところ,菅首相は,「事務所に確認したところ,個人献金として(東北新社創業者の)植村伴次郎氏から2012年9月に100万円,同12月に50万円。(東北新社社長だった)植村徹氏から12月に100万円,14年12月に100万円,17年10月に100万円,18年10月に50万円。全額で500万円であります。12,14,17年は衆院を解散する総選挙の時であり,選挙の見舞いということだと思う」と答弁している。
「東北新社」への長男の転職。同社幹部からの政治献金。国民の目にはどのように映るのだろう。