ニコニコ生放送で行われた「菅義偉総理が国民の質問に答える生放送」を視聴した。
 詳細については,同番組の内容を参考にしていただきたいが,菅総理は同番組で,爆発的に感染者が増え続けている新型コロナウイルスについて,「これ以上の感染拡大は何としても避けなければいけない」と語りながら,「GoToキャンペーン」の一時停止については,「考えていない」と否定する姿勢を見せ,「移動では感染しないという提言もいただいていた」と付言した上で,「いつの間にかGoToが悪いことになってきちゃった」と吐露している。
 ところが,14日,政府が新型コロナウイルスの感染拡大を受け,観光支援事業「Go To トラベル」について,年末から全国で一斉に一時停止する措置を決めた。感染防止対策の一環として,年末年始の人の移動を抑える必要があると判断したようだ。
 年末年始の繁忙期に急遽全面停止を受けた観光業者ら事業者は想像以上に混乱しているだろう。政府はこれまで,分科会が示した「トラベル事業が感染拡大の主要要因だとのエビデンス(証拠)は現在のところ存在しない」との見解を繰り返しているが,「人の動きを止めること」が世界的にも一貫した感染防止対策であり,今回の一時停止措置は政府もその効果を十分認識しているからだろう。
 さらに,上記番組での菅首相の挨拶が批判を浴びている。
 「みなさん,こんにちは。ガースーです」
 新型コロナウイルスの感染拡大で医療体制がひっ迫し,日本中が第3波の不安と恐怖におびえているこの状況下。また,同番組が放送された一時間前には分科会の尾身会長が会見でさらなる対策を政府に求めていた。そんなタイミングでの笑みを浮かべた発言だった。
  同番組でインタビュアーを務めた鈴木哲夫氏が14日,フジテレビ系「バイキングMORE」に生出演。菅首相の自己紹介が物議を醸しているインターネット番組の舞台裏を明かし,「みんなビックリしました。本番2分ぐらい前にバタバタっと入ってきたから打ち合わせもなく。普通は『菅です』なのかと思ったら,いきなりこれだったから」と回想。「とにかくスタジオというか,放送していた場所にいたみんなが,え~? っという感じになって。苦笑するというか失笑」と現場の様子を伝え,「秘書官の方とか皆さんも全く想像していなかった。(首相のアドリブ)だと思いますね」と振り返った。
 政府と国民の間には新型コロナウイルスの現状に対する認識のズレが生じてきており,それがそのまま国民の間の意識の相違に繋がっているように思える。新型コロナウイルス感染拡大の状況下で「Stay Home」から「Go To」に変化した政策。今こそ「Stay Home」を選択すべきだ。