香港で「香港国家安全維持法」が7月1日から施行されてから,香港の民主化団体や独立派団体が次々と解散を表明した。
2014年の雨傘運動の中心メンバーである“民主の女神”周庭氏や黄之鋒氏が所属する「香港衆志(香港デモシスト)」も6月30日に解散を表明。
香港の問題について日本語でTwitter上で発信していた周庭氏は,「私,周庭は,本日をもって,政治団体デモシストから脱退致します。これは重く,しかし,もう避けることができない決定です。絶望の中にあっても,いつもお互いのことを想い,私たちはもっと強く生きなければなりません。生きてさえいれば,希望があります」と活動への意欲を語っていた。
また,黄之鋒氏は「香港で民主化運動をすると,今後は命に関わる」などとコメントしていた。
その直後,周庭氏や黄之鋒氏らは,2019年6月の抗議活動で,警察本部を包囲するようデモ隊を扇動した罪と,違法な集会に参加した罪に問われ,逮捕,起訴された。
報道によれば,裁判では,周氏は起訴内容を認め,黄氏ら2人は否認しており,周氏の判決は,8月5日に予定されている。
香港市民の間では,9月6日に予定されている立法会選挙の結果によっては,周氏や黄氏ら民主化活動家への国際社会の注目がさらに高まることで,中国が何らかの柔軟な対応を迫られるのではないかと,期待が高まっていた。
ところが,香港経済日報,信報財経新聞及びインターネットメディアの香港01によれば,香港政府は8月上旬に立法会選挙延期を宣言する可能性があるとのことである。
最近では香港で新型コロナ感染者が急増し,香港政府は27日,公共の場所で集まることができる人数を,29日から2人までに制限すると発表している。当局によるコロナ対策で従来の選挙運動が難しい状況にあるため,延期論が出たようだが,「コロナ対策を徹底しながらの選挙」は各国で実施しており,延期は親中派への逆風を避けるためのご都合主義的だなどとと,香港市民の間に批判が広まっている。
周氏は,香港メディアの取材に対し,「香港人は民主自由の信念を勝ち取れるよう頑張ってほしい」などと話し,「香港人」であることに誇りを持っている様子であった。日本人を信頼し,日本語で民主化運動を発信し続けた周氏。再び女神の笑顔を見ることができるだろうか。